腎細胞癌における腎摘除後の包括的予後予測を目的とし新しいノモグラムの確立
腎細胞癌(腎癌)に対して腎摘除術を施行した場合、多くの症例で術後総腎機能低下を招き、約半数の症例で慢性腎臓病(CKD)(eGFR < 60 ml/min/1.73 m2)の範疇に陥ります。腎癌の術後followは、再発を早期に発見し治療を行うことに主眼が置かれているため、癌死を中心とした生存率に寄与する因子が多く解析されています。しかし、CKDそのものが心血管イベント死を著しく上昇させるため、癌死と心血管イベント死を加えた包括的予後予測モデルの確立が望まれています。本研究は今後の治療指針に大きく寄与することが期待されています。