Tottori University Faculuty Of Medicine Division Of Urology
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鳥取大学医学部同窓会研究助成 採択

鳥取大学医学部同窓会研究助成奨学金 受賞について

受賞コメント

研究テーマ microRNAをターゲットとした腎細胞癌の早期診断マーカーの検索に関する研究

腎癌の罹患率は、米国および我が国において近年増加傾向にあります。腎癌ではhigh stag症例における5年生存率は50%程度と予後不良であるため、早期発見・早期治療が重要となります。しかし、早期は無症状であることに加え、有用なバイオバーカーが存在しないため、早期発見は非常に困難と言えます。また、近年蛋白質をコードしていない small RNA(microRNA)が、発生や細胞増殖など様々な生物学的プロセスに関与しており、その発現異常が癌の発生や進展に深く関与していることが報告されています。そして、micro RNAは血液や尿などの体液中に安定して存在することが証明されており、新規バイオマーカーとしての研究が広く進められています。
今回我々は、腎癌組織において過剰発現を示すmicroRNA-210が、患者血液中においても健常者と比較して有意に高値を示すことを確認しました。そしてこれらは、ステージとは無関係に腎癌患者で高値を示しており、非侵襲的な早期診断マーカーとして有用である可能性が示唆されました。
このような研究により、これまで困難とされていた領域に少しでも光を投じることができればと考えます。