藤井 進也

マギル大学 放射線診断科(モントリオール)

マギル大学 留学報告

2011年6月から12月にかけての7ヶ月間、カナダのモントリオールにあるマギル大学放射線診断科腹部放射線部門に留学させていただきました。モントリオールはカナダ東部に位置するカナダ第二の都市です。フランス語を公用語とし(公用語ではありますが、モントリオールに住む多くの方が英語を話せるため日常生活においてフランス語が分からなくて困ると言うことはありません)、フランス文化を有する雰囲気のある街で、また、世界的に有名なシルク・ドゥ・ソレイユの発祥の地でもあります。マギル大学にはいくつかの附属病院がありますが、私は主にモントリオール総合病院(montreal general hospital:MGH)において、女性骨盤領域を中心とする腹部MRIについて学ばせていただきました。留学先のボスであるDr. Reinholdは2011年のRSNAで3つもご講演をされているほどの、女性骨盤領域では非常にご高名な先生です。腹部放射線部門には小生の他にも、カナダはもとより、イギリス、インド、エジプト、サウジアラビア、シリア、スイス、フランスと多くの国からのフェローが在籍しており、とても国際色豊かな職場でした。

良き仲間を得ることが出来た

1日の流れとしては、撮像された腹部領域のMRIをフェローが各人で分担して読影し、それをDr. Reinholdをはじめとしたスタッフが午前や午後にレビューするとなっていました。小生はフェローの読影を聴いたり、スタッフの意見を聴いたりしておりましたが、特にはじめの頃は何を言っているのかさっぱり分からず、また、多少理解して自分なりの意見を言おうとしてもどう言ったらいいのか、これまたさっぱり分からず・・・。悶々とした日々を送っている中で小生を救ってくれたのは、自分が書いた論文でした。女性骨盤領域の拡散強調画像を今後の研究テーマとして考えていたフェローが小生の論文を見つけ、いろいろアドバイスしてねと言われた時には、とても救われた気がしました。また、フランスから来たリサーチフェローのステファニーは、同じリサーチフェローということもあり、研究のこと等を含めていろいろ話すようになり、直腸癌のMRIに関する共同研究をしたりしました。彼女は非常に優秀でRSNAのmagna cum laudeを受賞したのですが、受賞論文や別の論文の手伝いを通じて、帰国後もコンタクトをとっており、このような良き仲間を得ることが出来たのは、留学で得た一番の成果でした。留学生活の中で一番感じたことは月並みですが、英語の重要性です。サウジから来たフェローに英語はサイエンスの公用語だろと言われ、正にその通りだと思いました。少しでも留学を考えている先生には、英語を少しずつでもいいのでやっておくことをお薦めします。

大切な思い出に

このように職場ではひたすら英語と苦戦していた訳ですが、そのストレスの発散もかねて、カナダ国内を旅行しました。カナダはでっかい北海道のような国で、ナイアガラの滝やカナディアンロッキーの自然が有名ですが、オーロラを見ることも出来ます。オーロラを見るためにはイエローナイフという北緯60度(ちなみに稚内は北緯45度)を越えた辺りまで行きます。モントリオールからは飛行機を乗り継いで国内旅行ながら7時間ほどかかりましたが、その美しさは格別でした。また、家族が夏休みを利用して1ヶ月でしたが遊びに来て、海外生活を経験させてあげることが出来、大切な思い出を作ることが出来ました。

このような貴重な経験をさせて頂き、小川先生をはじめとした医局の先生方には大変感謝しています。留学生活で得られたことを少しでも還元できたらと思います。ありがとうございました。

藤井 進也

左) 国際色豊かなフェロー
右) 読影室にてDr. Reinholdと

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