篠原 祐樹

ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院放射線科

ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院に留学

2015年4月から2016年3月までの1年間、アメリカ・ボストンにあるハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital; MGH)に留学させていただきました。そのきっかけは、2014年に米子市で開催された日本神経放射線学会でのDr. Michael H. Levとの出会いにあります。学会が終わってしばらくしてから、Dr. Levに「脳卒中の画像診断に興味があるので、MGHでもっと勉強したい、できれば研究に参加してみたい」という私の希望を伝えた所、承諾して下さり、今回の留学の運びとなりました。

世界トップクラスの研究機関

私は、Dr. Levがdirectorを務める「Emergency Radiology / Emergency Neurovascular Lab」という研究室にresearch fellowとして所属しましたが、実際はNeuroradiologyやNeurologyの先生方の研究を紹介してもらったり、それに参加したりと、研究室、時には施設を跨いで研修させていただくことができました。研究面での私の主な仕事は、これまでに蓄積された急性期脳梗塞の画像データの読影や解析、スライド作成などでした。世界トップクラスの研究機関ということもあり、スケールの大きさ、レベルの高さに圧倒されることも多々ありましたが、Dr. Levや同じ研究グループのresearch fellowあるいはclinical fellowの支えもあって、何とかやって来られました。その他、毎日行われるminilectureや、最低週1回行われるgrand rounds、主に週末に行われるセミナー、研究会、地方会、MGH主催のESLなどに自由に参加することができて、おかげで充実した毎日を送ることができました。MGHで学んだことを今後の診療に生かせるよう、頑張って行きたいと思います。

出会った人達は、かけがえのない存在

生活面では、物価の高さと冬の寒さには正直戸惑いましたが、歴史ある美しい街並み、治安の良さ、学校教育の質の高さなど、ボストンならではの素晴らしい点もいろいろと感じられました。周りの方々もとても親切に接してくれて、おかげで現地での生活にはすぐに馴染む事ができたと思います。1年という短い間ではありましたが、ボストンで出会った人達は、私達にとっては苦楽を共にした、かけがえのない存在になったと思っています。

世界は広い

月並みではありますが、「世界は広い」という言葉の本当の意味を、まさに身をもって感じることができた1年だったような気がします。MGHや自宅周辺には、アメリカ人はもちろん、様々な国の研究者あるいはその家族がたくさんいます。そして、よく言われる「日本の常識は世界の非常識」と実感する場面にもたびたび遭遇し、それがコミュニケーションをとる上で難しさとなったり、逆に楽な方向に働いたり…。間違いなく実際に海外で生活してみないと味わうことのできない、貴重な経験でした。

最後に、私に留学の機会を与えて下さいました小川敏英教授、推薦をして下さいました秋田県立脳血管研究センターの木下俊文先生、そして留学中公私に渡り大変お世話になりましたボストン大学の酒井修先生に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

フェンウェイ・パーク
写真 | フェンウェイ・パークのグリーン・モンスターの前にて(ハロウィンの日は無料開放!)。
ジョン・ハーバード(とされる?)像
写真 | ジョン・ハーバード(とされる?)像。左足に触ると頭が良くなる??
毎日の通勤に使った電車のチケット
写真 | 毎日の通勤に使った電車のチケット。お世話になりました。