腎臓の主な働きは、体の中を流れる血液を濾過して尿を作ることです。血液中の老廃物や余分な水分が尿として体の外へ排泄されることで、体の中のバランスが保たれています。また、赤血球をつくることを促進するエリスロポエチンを産生したり、血圧の調整を行ったり、ビタミンDを活性化してカルシウムの吸収を促進したりとその働きは多岐に及びます。
腎不全とはこれらの機能が低下して正常に働かなくなった状態であり、急性腎不全と慢性腎不全に分けられます。急性腎不全とは薬剤や脱水、大量出血、尿路の通過障害などによって急激に腎機能が低下することによって起こりますが、適切な治療を行うことで多くは回復します。
しかし、慢性腎不全では徐々に腎機能が悪化して生じるもので、これを治す有効な治療法は現在は存在せず、末期腎不全に陥ると体に老廃物や水分がたまり、尿毒症状態となり生命を維持できなくなるため、人工透析や腎移植などの治療が必要となります。
ほとんどは無症状です。
尿量の増加や貧血の出現
体液の恒常性が保てなくなり、代謝性アシドーシス、低カルシウム血症、高リン血症などの電解質以上やむくみ、高血圧の悪化や貧血の進行などが見られます。
疲労感、食欲不振、吐き気、集中力低下、意識障害、呼吸困難などの尿毒症症状が出現します。
血液検査や尿検査、レントゲン検査などを行います。
原疾患の治療や食事療法(低たんぱく食や減塩食など)。
さらに上記の食事療法などを強化。
食事制限の強化、薬物療法(経口吸着炭素製剤、エリスロポエチン製剤、高カリウム血症改善薬、高尿酸血症治療薬、高リン血症改善薬、アシドーシス改善薬、ビタミンD製剤など)。
透析療法導入。
腎移植。
血清クレアチニンmg/dl(クレアチニンクリアランス ml/分) | |
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8以上(10未満) | 30点 |
5~8未満(10~20未満) | 20点 |
3~5未満(20~30未満) | 10点 |
これら1~7項目のうち3項目以上のものを高度(30点)、2項目を中等度(20点)、1項目を軽度(10点)とする。
尿毒症症状のため起床できないものを高度 | 30点 |
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日常生活が著しく制限されるものを中等度 | 20点 |
通勤、通学あるいは家庭内労働が困難となった場合を軽度 | 10点 |
1.~3.の合計が原則として60点以上になった時に、長期透析療法への導入適応とする。
年少者(10歳以下)、高齢者(65歳以上)、高度な全身性血管障害を合併する場合、全身状態が著しく障害された場合などはそれぞれ10点加算する。
透析療法には、大きく血液透析、腹膜透析に分かれます。