今村武史先生

薬理学・薬物療法学分野 教授

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鳥取大学医学部医学科
薬理学・薬物療法学分野 教授

研究内容

インスリン鄭厚生関連疾患に対する治療薬の研究

インスリン抵抗性とは?

インスリン抵抗性とは、生活習慣病と呼ばれるメタボリック症候群や糖尿病、肥満に共通する現象で、体内で作られるホルモン、インスリンの働きが悪くなることを意味します。長期の経過により、心筋梗塞や脳卒中など多くの関連疾患を引き起こしますので、インスリン抵抗性および関連疾患の予防・治療は、高齢化社会における健康維持にとても重要です。当研究室では特に、(1)骨格筋萎縮症(サルコペニア)、(2)脂肪性肝疾患、(3)心血管合併症に焦点を当て、治療薬の開発研究を進めています。ここでは、(1)について紹介したいと思います。

インスリン抵抗性と骨格筋萎縮症の関連

インスリン抵抗性とは、生活習慣病と呼ばれるメタボリック症候群や糖尿病、肥満に共通する現象で、体内で作られるホルモン、インスリンの働きが悪くなることを意味します。長期の経過により、心筋梗塞や脳卒中など多くの関連疾患を引き起こしますので、インスリン抵抗性および関連疾患の予防・治療は、高齢化社会における健康維持にとても重要です。当研究室では特に、(1)骨格筋萎縮症(サルコペニア)、(2)脂肪性肝疾患、(3)心血管合併症に焦点を当て、治療薬の開発研究を進めています。ここでは、(1)について紹介したいと思います。

表)骨格筋萎縮症における筋線維組織の変化
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骨格筋萎縮症に対する治療薬開発

現在、サルコペニアに有効な治療薬はまだ存在せず、運動療法やリハビリ療法に頼っているのが治療の現状ですが、中には他疾患による障害で運動ができない方もおられます。そこで私たちは、骨格筋萎縮症治療薬の候補を探し続ける中で骨格筋細胞における糖代謝に着目し、糖の消費に重要な中間筋線維を増やすことができる治療標的として特定のマイクロRNAを見出しました。すなわち、このマイクロRNAの機能を抑制することにより、ヒトiPS細胞由来骨格筋細胞(下図)の多くが中間筋線維に変化することを確認しています。

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今後の展望

今回見出したマイクロRNA機能抑制薬は、基礎研究レベルで有効性が確認され、現在は動物実験モデルを用いてさらに効果を確認するとともに、安全性についても検討をしています。本研究が順調に進み、近い将来、ヒトを対象とした臨床研究につなげることができればと期待しています。骨格筋萎縮症に対する治療薬開発を通して多くの方のお役に立つことができますように、今後もさらに研究を進める予定です。

受験生へのメッセージ

「薬理学」とは、くすりの作用機序を明らかにする学問という意味を持つ基礎医学研究の一分野ですが、同時に、特異的作用をもつ治療薬の開発という点では臨床医療に直結する学問分野です。基礎医学から臨床応用まで一貫した研究が行える点は薬理学・薬物療法学分野の特徴の一つです。ご興味のある方はお気軽に研究室へお立ち寄り下さい。