医学部長メッセージ

「地域社会のみならず国際的に貢献できる個性輝く創造性豊かな人材の養成を目指す」

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鳥取大学医学部は、鳥取県西部の商都米子市にあります。山陰のほぼ中央に位置し、南東に中国地方最高峰の大山、北に日本海、西にコハクチョウ渡来南限地でラムサール条約登録の中海を有するこの街は豊かな自然に恵まれています。白砂青松の弓ヶ浜半島から美保湾と大山を望む絶景には思わず息を呑まずにはいられません。じっくりと医学を学ぶのには絶好の環境です。まさにHPに記載してあるとおり、この地には “ここでしか学べない医学” があります。

本学の歴史は昭和20年(1945年)設立の米子医学専門学校を前身とし、米子医科大学を経て、昭和24 年(1949 年)に鳥取大学医学部が設置されました。平成2年(1990 年) には、生命現象の基本的な真理の探究や疾患の原因を解明する研究者を育成する学科として本邦初の生命科学科が創設されました。平成11 年(1999 年) には、看護師・保健師と臨床検査技師を育成していた鳥取大学医療技術短期大学部が保健学科となり、医学部は現在の医学科、生命科学科、保健学科の3学科体制となりました。また、医学をさらに極めるための大学院医学系研究科は、医学専攻、医科学専攻、臨床心理学専攻の3専攻が設置されています。

鳥取大学医学部は、2020年に創立75周年を迎えました。長い歴史を積み重ねて、山陰の医学教育・研究・診療、そして人材育成の中核としての社会的使命を果たしてきました。これまでに6,011名の医師と1,471名の看護師、730名の臨床検査技師、1,040名の生命科学学士を輩出しており、卒業生は山陰のみならず、全国各地で医学・医療のリーダーとして活躍しています。また、多数の卒業生が母校で教鞭をとり、後進の育成を担当しています。

医学教育は本学のミッションである特徴的なコミュニケーション教育、イノベーション教育を推進しています。鳥取大学独自の理念である「知と実践の融合」に基づく、「ヒューマン・コミュニケーション」、「メディカル・コミュニケーション」、「基礎手話」等の人間性涵養教育に重点を置いた授業や自ら考えて学修する「研究室配属」、「課題解決型学習(PBL,TBL)」等の創造力を高めるアクティブラーニングを行っており、医学科では医学教育分野別評価(2018年7月受審)でも高い評価を受けました。他者とのコミュニケーション能力を有し、患者さんへのいたわりの心を持ち、リサーチマインドに溢れ、個性輝く創造性豊かな全人的医療人の養成こそが、本学の大切な教育目標です。

研究では、基礎医学として人工染色体・幹細胞操作技術の医療応用技術(鳥取大学染色体工学研究センター)、抗体医薬の開発(とっとり創薬実証センター)等を始めとした世界的な実績があります。このような先端的で特色ある研究を土台にして、再生医療、ゲノム医療等の最新の医療技術の開発を進めています。臨床医学では附属病院と協働して先進的なロボット支援手術を中心とした低侵襲治療の推進(低侵襲外科センター)、新しい医療機器の開発(新規医療研究推進センター)を行っています。また、少子高齢化の先進地である山陰の地の利を生かし、子どもの健康と環境、生活習慣病、介護、認知症に関する研究も活発に行われています。これら本学の将来を担う人材、生命科学・基礎医学研究者及び臨床研究者の養成を積極的に推進し、臨床や産業界との橋渡しができる人材の育成を育成することは本学の使命と考えています。

鳥取大学医学部では高度専門医療の担い手を要請する一方で、地域社会とともに、国際的にも貢献する人材の育成に力を入れています。高度専門医療、地域医療や国際的医療は、お互いに補完し合ってはじめてバランス感覚の良い医療人の育成ができます。地域医療教育では、「早期体験・ボランティア」、「地域医療体験」等の体験型授業に加え、山陰地域の病院・診療所での実際の診療に参加する臨床実習を行っています。さらに、国際的医療人の育成にはアメリカ、イギリス、カナダ、フィリピン、ロシア等、海外での臨床実習、研修プログラムも行われています。

このように医学科、生命科学科、保健学科は、それぞれ特徴的な教育、先進的な研究を行っていますが、それらの教育力や研究力を融合させることは極めて重要です。そのため、学科の枠を超えた合同講義、研究室配属等の教育を行い、医学部全体で発展する体制を整えています。また、学部を越えた医工農連携(米子キャンパスと鳥取キャンパスの連携)の体制も積極的に構築し、鳥取大学全体で国連が目指すSDGsを念頭においた持続的な取り組みを行っています。

2020年は新型コロナウイルスの流行により、世界が一変しました。鳥取大学医学部はニューノーマルにいち早く対応し、感染対策を徹底した対面授業とオンライン学習の環境を整備しました。デジタルキャンパス構想をかかげて、ICTやAIを積極的に活用しながら、さらにより良い環境を目指します。鳥取大学医学部で、「ここでしか学べない医学」に是非ともチャレンジしてみてください。医学・医療、生命科学に情熱を持っておられる若い皆さんとともに学べることを心待ちにしています。

2021年4月        
鳥取大学医学部長 中村 廣繁