放射線科医としての経験と成長

權田拓郎

モノクロの画像から数多くの情報を得る

平成29年度卒、平成31年度入局の權田拓郎と申します。

私が放射線科医を志したきっかけは学生時代のclinical clerkshipでした。初めて実際の症例画像を自分の手でスクロールしてみて、「何が何だかよくわからない。」それが最初の感想でした。しかしいざ解説の時間になると、するすると紐解かれるように病変の正体が明らかになっていきます。特に病変の有無や局在(存在診断)だけでなく、CTの吸収値やMRIの信号強度、造影パターンなどからその病変の正体を推察すること(質的診断)がここまで可能なのかという驚きを今も覚えています。見る人によってはモノクロの画像から数多くの情報を得ることができる、そこに魅力を感じ、将来は放射線科医として働きたいと思うようになりました。

鳥取大学医学部附属病院で2年間の初期研修を終了後、市中病院(公立八鹿病院、鳥取市立病院)をそれぞれ1年ずつ経験し、この原稿執筆時は後期研修3年目で鳥取大学医学部附属病院に勤務しています。

市中病院の2年間では、画像診断、Interventional Radiology(IVR)、放射線治療のそれぞれでcommon disease、基本的な手技の経験を積ませていただきました。放射線科医として右も左もわからない状態からのスタートでしたが、同門の先生方には厚いご指導をいただき感謝しています。市中病院では若手放射線科医でも画像オーダー医から直接意見を求められることが多く、治療方針決定に関わることも少なくありません。放射線科医としての責任の大きさ、やりがいを実感する貴重な経験となりました。

新しい知識や悩んだ症例を共有することで
互いに切磋琢磨し、日々楽しく成長できる

一方、大学病院では、各領域を専門とする先生がいらっしゃるので、市中病院で経験することのできなかった専門性の高い疾患、common diseaseに関してもより深い内容を学ぶことができます。私は現在、婦人科・放射線科・病理診断科の3科合同カンファレンス(月に1度開催)で症例画像のスライド提示を行う機会をいただいているのですが、毎回事前に藤井教授にチェックしていただきご指導・ご助言いただいています。このような指導環境が整っているのも我々若手としてはありがたいところです。また、大学には同期や同年代の先生もいるので、新しい知識や悩んだ症例を共有することで互いに切磋琢磨し、日々楽しく成長できるのも大学病院の魅力の1つです。

これを読んで少しでも興味を持っていただければ幸いです。もう少し詳しく知りたい方はぜひ見学に来て実際の雰囲気を味わってください。

權田拓郎 | スタッフ紹介