ママドクターから見た放射線科の魅力

椋田奈保子

はじめまして、私は医師11年目の椋田奈保子です。

放射線科ではCTやMRIなどの画像読影を専門にしています。プライベートでは結婚8年目の妻であり、0歳、3歳の2児の母です。学生や研修医の皆さんの中には、医師をしながら奥さんやお母さんになった自分の生活がどんなものなのか分からなかったり、うまく両立していけるのか不安に思ったりしている方もあるとおもいます。実際、私も学生時代そんな自分は思い描けませんでしたし、むしろ想像力が足りなすぎて、両立が大変なんじゃないか、というところまで想像が行きつきませんでした。

今回は、僭越ながらママドクターの私から見た放射線科の魅力についてお伝えしたいと思います。

画像診断はプライベートと両立させやすい

私は研修医の同期だった夫と医師3年目で結婚しました。研修医時代、当初は内科を志していました。けれど、放射線科をローテートし面白いと感じていた頃に結婚話が持ち上がり、内科となることが決まっていた夫に2人とも内科は厳しいんじゃないか、と言われたことをきっかけに放射線科の門を叩きました。今、その選択は大正解だったと思っていますし、当時の自分の決断をほめてあげたいです(笑)。というのも、夫はその後の9年間で5つの病院に勤め、県内の西へ東へと転勤したからです。私も転勤しましたが同じ病院に勤められるわけはなく(自分の診療科がない病院もたくさんありますし、あっても雇ってください!と個人面談して入れる病院ばかりではないのです。医局からの推薦や専門医の資格がないと受け入れてもらえない病院も多いです。また、自分が専門医をとるためには研修指定病院とされている病院に勤めないといけません)、一番遠いときは車で1時間ほど離れた病院に勤めることになりました。5年間はお互いの病院の近くにそれぞれアパートを借りて、毎日交互にお互いの家に行く生活でした。この時、本当に放射線科にしてよかった!と思いました。放射線科の中でも私の専門の画像診断は入院患者さんの受け持ちがなく、当直はあっても夜間や休日の緊急呼び出しはなかったのです。患者さんの急変で1時間の通勤を待ってもらうのは難しいですし、夜中の呼び出しに往復2時間かけていては体がもちません。

仕事時間や内容を医局と相談

そんな生活をしていた私ですが、妊娠出産し晴れて夫と同居することになりました。けれど、仕事をしながら出勤前、帰宅後育児をする、という生活はまったくもって楽じゃありませんでした。子どもが寝るまで自分の時間はないですし、寝た後も自分も疲れ果てていて寝てしまう、という有様です。さらに夫は当直があるので、それを一人でこなさなければならない日も度々です。入院患者さんを受け持ち、休日も働かれているスーパーママドクターに対しては尊敬の念を抱きますが、私はそんなに頑張れなかったので、医局と相談し仕事時間や内容を減らしてもらいました。とても相談しやすい環境で、私も様々なお願いをさせてもらいました。妊娠途中から現在まで当直なし、休日出勤なしです。また、妊娠中は15時帰宅にしてもらったり、現在は週2で午前帰りにしてもらっています。

短い勤務時間でも貢献

早帰りや当直なしで経験を積めるのか、医局内で肩身の狭い思いをするんじゃないか、と思う方もおられるかもしれません。私も少し心配でした。でも、放射線科はその点も大丈夫です。画像の読影は1件10-30分程です。短い勤務時間でも貢献できます。画像読影の勉強も、患者さんの診察や手術のような実技ではないので、自分の空いている時間に画像がためてあるパソコンで様々な症例の画像をみたり、本を読むことで可能なのです。

さてさて、長々とお話ししてしまいましたが、私が考える鳥大放射線科の魅力は以下の3つです。

  1. 画像診断チームは患者の受け持ちがなく緊急呼び出しもないため、プライベートとの両立がさせやすいこと
  2. 教授をはじめ医局のみなさんがママドクターに理解があり、相談しやすい環境であること
  3. 読影は1件10分-30分程度なので、短い勤務時間でも貢献できること

もちろん、好きな仕事でないと一生の仕事にはできません。放射線科の仕事に興味がある、好きだ、ということが大事ですが、複数の科で迷っている場合はプライベートとの両立を決め手にしてみてはどうでしょうか。みなさんと一緒に働けるのを楽しみにしています!

椋田奈保子 | スタッフ紹介