放射線診断~ここにしかない魅力~

山路大輔

はじめまして。
令和2年度入局の山路大輔です。平成30年に鳥取大学医学部を卒業しました。大学時代はラグビー部と将棋部に所属していました。趣味は詰将棋創作で、詰将棋の問題を雑誌や新聞などに発表しています。日本将棋連盟公認の将棋普及指導員の資格を持っています。

ここでは主に「放射線診断医を志したきっかけ」、「放射線診断の魅力」をお伝えしたいと思います。

放射線診断医を志したきっかけ

卒後ですが、愛知県の一宮西病院で初期臨床研修を行いました。当初、進路としては外科や麻酔科などを考えており、放射線科は全く考えておりませんでした。しかしある出会いが進路を大きく転換しました。世界的トップレベルの放射線診断医である「木口貴雄先生」です。先生の趣味は将棋観戦であり、共通の趣味をきっかけとして懇意にしていただきました。その際、高い診断力を間近で見て憧れ、いつしか放射線診断医を志すようになりました。

「もともと画像診断が得意でしたか?」時々こんな質問を受けることがあります。正直に言うと画像診断は苦手でした。当時の初期研修病院の当直は研修医が一人で診るスタイルでした。場合によっては自分でCTをオーダーし、自分でCTを読むことになりますが、見逃しの失敗例が数多くありました。そのため画像診断に対して苦手意識を持つ時期がありました。そんな自分も、今では放射線科医として画像診断をしています。

放射線診断の魅力

放射線診断医は「診断のスペシャリスト」です。画像診断はその名の通り診断に直結しますので、日常診療において果たす役割は非常に大きいです。画像診断に特化した精鋭が私たち放射線診断医です。その特色から、他科よりコンサルトを受けることが圧倒的に多く、必要不可欠な存在であるといえます。

他の科にはない放射線診断科の特徴として「クイズ性」があります。放射線診断の業務は読影がメインですが、読影では画像所見から手がかりを拾い、鑑別診断を挙げ、場合によっては最も考えられる診断をつけます。画像のみでは診断が難しいことも多いですが、最終的に自分の挙げた診断が正解だった時の喜びは大きいです。

放射線診断にはクイズ性があることから、画像診断クイズを解くことが大きな勉強法になります。これは将棋に例えれば詰将棋を解くことに相当します。学会誌や月刊誌などには画像診断クイズが掲載されており、これを解くのも放射線科医の楽しみの一つです。クイズで楽しく勉強することができるのは放射線科の魅力の一つです。自分も勉強法として画像診断クイズを取り入れており、画像診断クイズを解く研究会にも参加しています。

放射線科の大きな学会のメインイベントとして「イメージ・インタープリテーション」というものがあります。これは簡単に説明すると画像診断クイズであり、その正答率を競うものです。どれも難問揃いであり、一問正解するのも大変です。最終的に正答率の最優秀者が選ばれるのですが、この最優秀者に選ばれるのはこの上ない栄誉です。自分もいつの日か表彰台に上がれるよう、日々精進しています。

医者の世界では、特定の分野において有名な方が多く存在します。放射線診断科の場合、身体の全領域を扱うので、ありとあらゆるプロフェッショナルがいます。その中でも他科と比べて異質なのが、画像診断クイズの分野が存在することです。画像診断クイズで有名ということは、高い診断力を持っているということです。医師のキャリア形成として、一般的には論文を数多く書き、実績を積み、地位を築き上げることが多いですが、放射線診断の世界では診断力を磨き上げることで名を馳せるチャンスがあります。これは他の科にはない魅力です。

医学書を執筆しました!

2022年(専攻医3年目)に、『クイズで学ぶ画像診断「1手詰」読影のキホンが身につく必修手筋101』という画像診断の入門書を木口先生と共著で出版しました。
*本の詳細はこちら

この本ですが、「クイズ形式で楽しく学べる医学書があったら面白いのではないか?」という発想から生まれました。放射線科医に限らず、まずは知っておきたい臨床的意義の高い疾患をクイズ形式で勉強することができます。どのような本か気になる方は医局に是非お越し下さい。

最後に

放射線診断科にしかない魅力があります。放射線診断科とはどのようなものか、ぜひ見て感じてほしいです。しかし残念なことに、座学やクリクラのみでは伝えるのが難しいです。この文章を読んで少しでも興味の持った方はぜひ医局に足を運んでみてください。連絡のみでも構いません。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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