メスを入れずにがんを治す

坂口弘美

幅広い役割に魅了され、放射線治療医を目指す

皆さんこんにちは。平成23年度卒の放射線治療科の坂口と申します。

突然ですが、皆さんは放射線治療と聞くとどんなイメージがありますか?残念ながら未だに「癌の末期患者に対する緩和治療」ですとか「危ない、怖い」など、マイナスのイメージを持つ人も少なからずいるようです。しかし、実際の放射線治療はがん治療の三本柱の一つであり、身体にメスを入れることなく癌の治療ができる非常に有効な治療法です。そして、全身のあらゆる癌の根治・姑息・緩和治療といった様々なニーズに応えることのできる、魅力的な科です。私自身、初期研修で放射線治療科を回るまでは正直、がん治療における放射線治療のイメージはあまりありませんでした。しかし、実際に放射線治療で癌が消えた症例を目の当たりにし、さらに根治治療だけでなく、骨転移などによる痛みを和らげる緩和治療としても有効であることを知り、その幅広い役割に魅了され、放射線治療医を目指しました。

当教室はしっかりと研修できる体制が整う

放射線治療医になるためにはまず、放射線科専門医を取得する必要があります。これには放射線治療だけでなく、画像診断・IVRの幅広い知識習得が必須となりますが、当教室ではいずれもしっかりと研修できる体制が整っています。その後、放射線治療の研修を2年間し放射線治療専門医試験に通ることで取得できます。当施設では通常照射(3D-CRT)から高精度治療、組織内照射、腔内照射など症例数も豊富です。私自身、産休・育休を2回取りましたが、昨年無事放射線治療専門医を取得することができました。放射線治療科は診察や手技の合間の時間に治療計画を作ることができるので、比較的時間の融通が利くのも魅力の一つです。

高齢化のニーズに合った治療法

今後高齢化がさらに進み、がん患者さんが増えることが予想されます。そのため、より低侵襲で、かつ効果的な治療法が求められます。放射線治療はまさにそのニーズに合った選択肢だと思います。全身のさまざまながん治療に携わりたい、がん患者さんに負担の少ない低侵襲な治療を提供したい、そんな想いを持っている方はぜひ、当科へ一度足を運んでみてください。お待ちしております。