IVRへのお誘い

牧嶋惇

外科っぽいけど外科ではない、
ニッチな領域ではあるが可能性は無限大。

突然だが金曜日の朝9時、アンギオ室を覗いてみよう。仮の話だぞ仮の。アンギオ室ってどこ?大学なら外来棟2階、CT室横のAIMIT(先端画像・低侵襲治療センター)だ。前を通ったことぐらいあるのでは。
覗いてみると先生たちが慌ただしく働いている。HCCに対するTACE。透析シャントに対するVAIVT(経皮的シャント拡張術)。CVポート留置。下肢ASOに対するバルーン拡張。大胆かつ繊細に、ディスカッションしながら和気藹々と手技をこなしていく。

手技内でのストラテジーを組むのは自分だ。手技は道具選びから始まっている。どのカテーテルを使おう、今日はこのシステムで、新しいコイルを試してみようetc・・・。手技中も考えることは山ほどある。あの血管に入れるならこのカテーテル、ワイヤーの曲げはこのくらい、ここに血管があるはずだetc・・・頭は常にフル回転だ。

カテ室3番の電話が鳴り出した。消化器内科から肝膿瘍ドレナージの依頼だ。消化器外科からは胆道狭窄に対する胆管ドレナージの依頼。臨床医への助け舟、寡黙な職人、困ったときのIVR。他科からの依頼は原則断らない。
今日も17時に予定手技が終わった。一息つくとPHSが鳴る。救急科から骨盤骨折にextravasationがあるとの連絡、緊急アンギオだ。IVRは24時間365日、いつでも対応する。

手も使うがアタマも使う。
血管系も非血管系も、頼まれたら可能な限り穿刺。
手技後のカルテを診てああ良くなってよかったと一息つく。
他科の協力が無いと始まらないけど、他科には必要不可欠な存在。
外科っぽいけど外科ではない、ニッチな領域ではあるが可能性は無限大。

あなたもIVR、してみませんか。

牧嶋惇 | スタッフ紹介