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【プレスリリース情報】解剖学・病理学の組織学実習における授業DXを推進~病理支援システムの応用による学習効率化~

プレスリリースロゴ 

概要

 解剖学ならびに病理学の組織学実習では、従来、デジタル病理クラウド支援システムとして開発された「PidPort」(メドメイン株式会社が開発)を、医学教育用として導入する運びとなりました。
 当システムが、全国の大学において国立大学に医学教育目的として導入されるのは初めてのことで、そのうちの一大学として、鳥取大学でも導入することとなりました。
 また、鳥取大学では、開発会社に協力する形で、1年間実証実験を繰り返し、医学教育用として多人数の学生が同時にアクセスしてもよりスムーズに閲覧できるようシステムの改良に協力、安定性を向上させ、その結果、実際の教育現場での導入が可能なまでに至りました。
 当システムでは、学生個人が端末でクラウドサーバーに保存された人体等の組織像を閲覧することができるほか、教員がリアルタイムで書き込みを行えるなど、授業の質が向上するだけでなく学 習の効率化にも貢献しています。

【取材対応日時(授業参観可能日)】

◆ 日 に ち : 令 和 7 年 5 月21 日 ( 水 )

◆ 時 間 : 1 3 時 0 0 分 ~ 1 4 時 3 0 分

  授業開始から 30 分程度、実習内容の説明が行われた後に、学生各自での実習を始めます。

新システム導入によりできるようになったこと

 当システムは、外部で管理されているクラウドサーバーに高解像度の顕微鏡撮影画像(バーチャルスライ ド)を保存し、そこに学生がアクセスして閲覧・学習す ることで実習を進めていきます。人体等の組織標本の画像データを学生一人一人に共有することが可能となり、100 名以上の大規模授業において学生全員が同じ組織像を閲覧でき、実習に取り組むことができます。 また、これまでは学内(限られた場所)でしか閲覧することができなかった組織像を、セキュリティの高いクラウドサーバーにデータ保存することで、場所を問わず 24 時間 365 日好きな時にアクセス・閲覧することができるようになり、振り返りなど学生の自学自 習の質向上へも貢献しています。なお、実際に集計をしたところ1学年のうち9割以上の学生が自宅での自学自習に当システムを利用したとの結果もでております。 現在、大学内の他授業においてもPCやパッド等を用いたDXを推進していますが、当システムでは、教員が学生の閲覧している画像にリアルタイムでコメントを書き込むことができたり、補助資料を展開しながら説明することができ、より充実した内容の授業を展開することができるようになりました。

 当科目では、2008 年より、学内にサーバーを設置して、実習のデジタル化を図っておりましたが、コロナ禍において、自宅学習を余儀なくされたことにより、学内限定の同システムを用いた通常通りの授業提供が困難になり始めました。

椋田先生プレスリリース
椋田先生プレスリリース

 

システム導入による効果

  • 全学生が同じ組織像を閲覧でき、かつ書き込みが行えるなど説明がしやすくなり授業の質が向上しました。
  • 学生が時間・場所を問わず学習ができるようになりました。
  • 観察対象へのアクセス(操作性)がよいため、学生の満足度や評価が高く、学習におけるモチベーション向上にも貢献が期待できます。

 

導入のきっかけ・経緯

 当科目では、2008 年より、学内にサーバーを設置して、実習のデジタル化を図っておりまし たが、コロナ禍において、自宅学習を余儀なくされたことにより、学内限定の同システムを用い た通常通りの授業提供が困難になり始めました。
 そこで、場所を問わず実習の行えるシステムの導入を検討し、2020年から医学部独自で構築したクラウドサーバーを利用した遠隔システムの運用を開始しました。
 しかしながら、大人数で同時に利用するにはサーバーの不具合が生じるなど、授業での持続的な利用が難しく、このたび教育用により改良された「PidPort」を導入するに至りました。

 

今後の展望

 今後も開発会社への協力により、授業面ではさまざまな機能の強化を図るとともに、当学科・実習にとどまらず他の学科・授業への応用ができることを期待しています。
 研究面においても、これまで物理的に保管していた標本をデータ管理に切り替えることで、スペースの節約やアクセスの簡便さ、セキュリティ強化への寄与も期待されます。

 

本件に関するお問い合わせ先

鳥取大学米子地区事務部総務課広報係(担当:井口)

電話 0859-38-7037 FAX 0859-38-7093

Mail:me-kouhou@adm.tottori-u.ac.jp