【プレスリリース情報】医学部寄附講座『地域医療学講座』鳥取県との設置期間延長に関する協定を締結
概要
鳥取大学と鳥取県は、医学部「地域医療学講座」にかかる寄附講座の設置に関する協定を締結をしており、平成22年より当講座を鳥取大学医学部医学科に設置しております。
設置の目的としては、地域医療に貢献する人材育成等のための拠点を設置し、地域 医療の実施、研究および教育を行い、地域医療の向上に寄与することを目的としております。
このたび、令和7年3月31日までであった設置期間を3年延長とし、令和10年3月3 1日までを設置期間として新たに締結をしましたのでお知らせいたします。
地域医療学講座の役割・取組について
地域医療学講座は、①地域医療に貢献する人材の育成 ②地域医療に関連する診療支 援 ③地域医療に関する研究 を目的に平成22年にはじめて鳥取大学に設立されました。
とくに①に関連した地域枠(県の奨学金で卒後も鳥取県で働く制度)の学生に対する教 育とキャリア支援は重要なミッションです。医学部の正規教育に加え、講座の企画するさ まざまな地域医療の取組み(地域医療現場の見学、総合診療の学習、海外のプライマリケ ア研修など)に参加してもらいます。また、大学病院ではない地域医療の臨床現場での学 習を行うため、日野病院に地域医療総合教育研修センター、大山診療所に家庭医療教育ス テーションを作り、講座の教員が直接、学生指導にあたっています。
中山間地やへき地では医師不足が深刻ですが、専門医制度の普及に伴い各専門分野の 医師は患者数の多い都市部病院での研修を希望する傾向が強まり、地方の医師確保が一 層困難になっています。この課題に対し、包括的に患者を診ることのできる総合診療医の 育成を行うため、地域医療学講座は「鳥取の総合診療専門医を育てるプログラム」を平成 31年から開始しました。現在までに4名の新たな総合診療医が育ち、県内各地で働いてい ます。このように、地域医療学講座は卒前教育、そして卒後の総合診療医育成において、 非常に重要な役割を担っています。
設置期間延長に至った経緯
上記のように、鳥取県の地域枠制度は継続しており、鳥取県に残る医学科卒業生のうち で約5割弱を地域枠が占めています。したがって、地域枠の卒前教育やキャリア支援はき わめて重要な課題となっています。また中山間地の医師不足について、各自治体の総合診 療医への期待感は大きく、令和6年度からは「総合診療医育成強化専門職員」を設置し、総 合診療医のリクルートと育成にあたっています。このように、地域医療を担う医師育成は、 鳥取県にとって非常に重要な課題であり、地域医療学講座はこの役割を担う重要な医学 部講座として、寄附講座の設置期間延長が決定されました。
今後の展望について
地域医療教育については、医学部6年間で一貫した教育を行うための指標としての「地 域医療学ハンドブック」の作成、地域医療の現場教育のためのフィールド(日野病院・大山 診療所など)は準備できました。
今後は、鳥取県の地域医療を長く支えてくれる人材育成に、より焦点を当てて活動して いきます。具体的には、地域枠とくに特別養成枠の卒前卒後を通じた一体感のある組織づ くり、鳥取県中部・東部での地域医療支援の強化、総合診療医の育成を着実に行うことな どを進めてまいります
本件に関するお問い合わせ先
鳥取大学米子地区事務部総務課広報係(担当:井口)
電話 0859-38-7037 FAX 0859-38-7093
Mail:me-kouhou@adm.tottori-u.ac.jp