保健学科看護学専攻の学生が認知症への理解を深めるためVR体験学習を行いました
令和4年11月24日(火)、保健学科2年生の老年看護学演習の講義で認知症の理解を深めることを目的として、VRによる体験学習が行われました。VRの映像は認知症の方に実際に起こった出来事を基に作られており、学生全員がVR体験セット(ゴーグル・ヘッドフォン)を着用して、認知症の方の3つの症状を疑似体験しました。
体験学習を行う前の学生の認知症に対するイメージは「物忘れが多い」「家に帰れない」「社会参加に消極的になる」などがあげられました。学生は体験を通して、当事者に対する周りの人の接し方で認知症の方の「不安」が和らぐことを実感しました。また、認知症の方から「認知症だからといってできないと決めつけるのではなく、周囲の力を借りながら課題を自分で乗り越え、自分らしい生活を送りたい」というビデオメッセージも頂き、将来医療に従事する学生にとって認知症の方とどのように接していけば良いのかを深く考えるきっかけとなりました。
授業を終えた学生は、「認知症について、教科書でしか学んでいなかったが今回当事者目線で考えることができたので理解が深まった。」「看護の場面だけでなく、普段の生活においても困っている人に積極的に手助けをしていきたいと思った。」と話していました。






【3つの体験学習】(プログラム提供:株式会社シルバーウッド)
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体験①:「私をどうするのですか?」 (認知症の中核症状の一つである視空間失認を疑似体験できるプログラム。) プログラムをスタートすると、自分がビルの屋上に立ち、柵が一切ない状態ではるか下の地面を見下ろしているところから映像が始まる。 スタッフらしき人が「大丈夫ですよ、一歩踏み出してみましょう」と声をかけてくる。『落ちてしまうかもしれない』という恐怖を感じ、隣から聞こえる優しい声かけも恐ろしく感じる。 次の瞬間、目の前に車がある光景に切り替わる。自分がいたのはビルの上ではなく車の前だった・・・。 |
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体験②:「レビー小体病幻視編」 (いくつかある認知症の一つであるレビー小体型認知症。特徴的な症状として実際には存在しない物が見える幻視を疑似体験できるプログラム。) プログラムをスタートすると、知人の家を訪問するところから映像が始まる。 その家では、見知らぬ複数の男性が部屋の隅に立っているように見えたり、ケーキの上に虫が乗っているように見える。 確かに見えている、でも周りの人達には見えていない・・・? |
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体験③:「ここはどこですか?」 |