神経病理学分野

Division of Neuropathology

分野の特色
 当部門は1964(昭和39年)に全国で3番目に設置された国内では数少ない神経病理学教室の一つです.診療業務として,病理解剖検体の病理診断および末梢神経・筋生検の病理診断を行っています.また,病理学講座と連携して脳生検の病理診断も行っております.診断にあたっては従来の形態学的解析に止まらず,全国の他施設と連携し生化学的,遺伝学的解析を行うよう心がけています.さらに,全国のブレインバンクとも協力して診断の確実性を担保しています.また,教育面では神経病理学の講義を担当するほか,脳神経内科専門医を目指す医師に神経病理学の教育ならびに研究指導を行っています. 研究面では,講座開設以来保存されているおよそ2000例を超す脳組織を活用し,神経疾患の病態解明を目指して研究しています.
分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

神経変性疾患(神経難病)の病態解明にむけた研究

 神経変性疾患とは,原因不明の神経細胞脱落により様々な症状が進行する神経疾患の総称です.多くの疾患が今なお原因不明で,多くの患者さんが苦しんでおられます.その病気の最終診断は病理学的検索によって下されます.アルツハイマー病,パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの代表的な病気は,いずれも神経病理学的検索がなされなければ確実な病態は不明のままです.当教室では,お亡くなりになり病理解剖に同意頂いた方々の病理解剖検体の検索を行い,最終病理診断を行います.そして,その方の臨床症状や画像,生体試料と病理所見を照らし合わせ,生前に最終診断につながる特徴はなかったか,病態解明に繋がるヒントはないか,という視点で研究を続けております.また,基礎医学分野と連携し,動物実験等で得られた知見を実際のヒト脳で確かめることも進めています.

スタッフ
准教授 足立正  adachi8@tottori-u.ac.jp
 電話番号
0859-38-6783 
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