呼吸器・乳腺内分泌外科学分野

Division of General Thoracic Surgery and Breast and Endocrine Surgery

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分野の特色

呼吸器・乳腺内分泌外科学分野は、呼吸器・縦隔疾患を扱う呼吸器外科と、乳腺・甲状腺・副甲状腺を扱う乳腺内分泌外科を2本の柱とし、教育・臨床・研究を行っています。

教育
当院で設定された卒後臨床研修の最先端外科専門コース(別名:外科専門医取得最短コース)を選択することで、外科医としての姿勢と知識を養います。
関連病院での研修を挟み、4年終了時に臨床修練目標を終了し、外科専門医筆記試験に合格。5年終了時には口答試験に合格して、最短での外科専門医取得を目指します。
ただし個々の考え(いろいろな勉強をしてみたい)、状況(結婚・出産など)に応じて回り道も十分許容されます。その後はさらに奥深い専門分野(呼吸器外科専門医,乳腺専門医など)への道が開けます。

臨床
手術では呼吸器・縦隔疾患に対する低侵襲手術である胸腔鏡手術、ロボット支援胸腔鏡手術を中心に手技の工夫を重ねています。
特にロボット支援胸腔鏡手術を全国に先駆けて推進しており、先進医療取得を目指しています。
乳癌手術ではセンチネルリンパ節生検、乳房温存療法を適応に則して行うことで、手術の低侵襲化、効率化を図っています。
肺癌診療では、毎週キャンサーボードを開催し、呼吸器内科、放射線科と連携しさまざまな討論を行ったうえで適切な治療方針を決定しています。
乳癌診療においても定期的にキャンサーボードを開催し、病理・放射線科・メディカルスタッフと連携した診療を行っています。
また手術標本の病理所見は治療を行う上での最重要因子と位置付けており、毎週臨床病理カンファレンスを開催し病理医と連携しながら質の高い癌診療を行っています。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

1.原発性肺癌の増殖活性と悪性度に関する研究
病理学講座の協力を得て、がん細胞の増殖を規定するライセンス化因子(MCMやGeminin)について切除された肺癌組織を使用して解析しています。ライセンス化因子の異常は細胞の増殖活性に影響を与え、原発性肺癌の予後不良因子となることが判明してきています。
原発性肺癌の脈管侵襲(リンパ管侵襲・血管侵襲)は肺癌の浸潤能を表し、リンパ節転移、血行性因子を引き起こします。脈管侵襲は予後不良因子となることより、術後の補助療法を考慮する因子としても重要であると考えています。
近年増加している肺腺癌の多型性と悪性度に関する研究を進めており、特にmicropapillary typeが予後不良であることを発表しています。

2.原発性肺癌の手術時洗浄細胞診に関する研究
肺癌の開胸時(手術開始時)、閉胸時(手術終了時)に洗浄細胞診を行い、陽性の場合の予後が不良であること、胸膜浸潤との関係や病期に反映する必要があることなどを研究しています。

3.肺癌に対する低侵襲手術に関する研究
肺癌に対する胸腔鏡手術を積極的に推進し、その妥当性を研究しています。特に完全胸腔鏡手術、ロボット支援下手術の手技の工夫を行っており、開胸手術と遜色のない予後、開胸手術を上回るQOL成績が出ています。

4.肺癌に対する縮小手術に関する研究
I 期肺癌に対して胸腔鏡下肺葉切除、区域切除、部分切除を症例選択をしながら比較検討しています。また、JCOG/WJOGの共同研究である肺癌縮小手術(区域切除、部分切除)に関する臨床試験に参加しており、縮小手術の手術成績を研究しています。

5.ロボット支援胸腔鏡手術に関する研究
2011年1月からda Vinci Sを用いたロボット支援手術を開始し、現在ではda Vinci X, Xi, hinotoriの3種類のロボットを用い手技のエ夫を重ねています。肺癌、重症筋無力症、縦隔腫瘍などが適応であり、胸腔鏡手術での予後、QOLとの比較検討に関する研究や進行肺癌に対する術式拡大に関する研究を行っています。

6.高齢者肺癌の外科治療に関する研究
山陰は高齢者肺癌の割合が多く、低侵襲外科手術を推進しています。特に80歳以上の高齢者でも全身状態を考慮して手術適応を判断します。肺年齢やCharlson comobiditiy index(CCI)を術前のリスク因子の判断材料としています。

7.COPD肺癌に対する外科治療、周術期管理に関する研究
COPD合併肺癌の割合は多く、肺年齢を用いて肺機能を多角的に判断しています。COPD合併肺癌は術前にtiotropiumを吸入することで一秒量の改善を認めており、周術期管理に有用と考え実践しています。

8.術後補助化学療法の有効性に関する研究
肺癌の術後補助化学療法について、岡山大学を中心とした瀬戸内肺癌研究会の共同研究に参加しており、抗がん剤の第2相試験、第3相試験を行っています。

9.原発性乳癌の増殖因子と悪由度に関する研究
原発性乳癌について、ホルモン受容体やHER2の発現といったバイオマーカーや、脈管侵襲や細胞異型といった悪性度に関与する因子などを検討し、より有用な予後因子を解明する研究を行っています。また、病理学講座と協力し、切除された乳癌組織を使用して新規の乳癌細胞の増殖因子を同定する研究にも取り組んでいます。

10.乳癌薬物療法の有効性および副作用に関する研究
乳癌には化学療法、内分泌療法、分子標的薬など様々な薬剤が適応となります。より良い治療に結び付くよう、各薬剤の治療効果などの有効性や副作用の出現頻度などについて検討をしています。

スタッフ

教 授   田中雄悟
講 師   若原 誠
助 教   窪内康晃
 〃    細谷恵子
 〃    田中裕子(特定任期付)
 〃    松居真司(特定任期付)
 〃    大島祐貴(特定任期付)
 〃    藤原和歌子(特定任期付・大学院生/高次集中治療部)
 〃    野坂祐仁(特定任期付・大学院生/高次集中治療部)
医 員   深谷由美(大学院生)
 〃    和田杜甫
 〃    安田遼太
 〃    鈴木隆将

事 務   福原純子
 〃    小本瑶子

 電話番号

 

関連リンク

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診療科ホームページ
 http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/medical/thoracic-surgery/【呼吸器外科HP】
 http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/medical/mammary-endocrine/【乳腺内分泌外科HP】