血液内科・臨床検査医学分野

Division of Hematology and Clinical Laboratory Medicine, Department of Multidisciplinary Internal Medicine

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分野の特色

当分野では、血液内科、検査部、輸血部と密接に連携して研究を推し進めています。
血液内科では、米子地区ならびにその周辺地域の血液疾患、とりわけ造血器腫瘍の治療を積極的に行っているところですが、当分野では各症例のデータを集積・解析して、治療成績を評価するとともに臨床の現場にフィードバックすることを目指しております。
検査部や輸血部では、日々大量の検体が持ち込まれ、解析がなされている一方、大量の生体材料が残検体として廃棄されています。これら廃棄される生体材料を有効に活用して、新たな検査法の開発や新たな診断マーカーの探索などを行っています。
また、生命科学科との共同研究も行っており、基礎研究にも力を入れています。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明
  1. 血管疾患の実態調査
    2005年4月に血液内科が開設されてから、電子カルテに各症例のデータが蓄積されています。そこで、2005年4月から血液内科を受診したすべての症例のデータベースを作成するとともに、それを元に、診療実態を把握し、治療成績や予後を解析しています。それにより、日々の診療の質の向上に資することを目的としております。
  2. 造血幹細胞移植後の免疫能の評価
    造血幹細胞移植、特に他人の造血幹細胞を移植する同種造血幹細胞移植後の免疫能を評価しています。近年、幹細胞ソースが多様化し、患者年齢も上がってきています。移植後の免疫能を評価することで、様々な移植方法における、移植後の感染症や移植片対白血病効果(GVL効果)に対する影響を解析し、治療成績改善につなげることを期待しています。
  3. 造血幹細胞移植後のワクチン接種の評価
    同種造血幹細胞移植前に予防接種または自然感染によって得られた種々のウイルス抗体価は、移植後には患者の残存形質細胞が消失するに伴い、徐々に減衰していきます。そこで、免疫再構築のために移植後にワクチン接種をした患者について免疫学的に評価し、ワクチンの有効性を検証しています(Transplant Cell Ther. 2021)。
  4. Vault RNAの解析
    Vault RNAは、RNAポリメラ ーゼIIIによって転写される98塩基の小さな非翻訳RNAです。多くの真核生物で保存され、薬剤耐性、アポトーシス、オートファジーおよびウイルス感染に関連していることが報告されています。我々は、血液疾患患者における血液中のVault RNAを測定し、臨床的意義を見出すため研究を進めています(Mol Med Rep . 2023, Mol Cell Probes. 2025)。
  5. 多発性骨髄腫におけるI型古典的樹状細胞の機能評価
    多発性骨髄腫マウスモデルを用いてI型古典的樹状細胞(cDC1)の機能と骨髄免疫微小環境について島取大学医学部生命科学科免疫学分野と共同研究を行っています。 cDC1は抗腫瘍免疫ではがん抗原を提示し、CD8T細胞の腫瘍排除を促進すると考えられていますが、本来の機能を発揮できていない可能性があります。マウスモデルを用いた実験では、cDC1は本来の機能と変化し、腫瘍の進展を促進する結果であり、詳細なメカニズムについて研究を進めています(Front Immunol. 2024)。
スタッフ

教授  河村 浩二
助教  細田 譲
助教  鈴木 さやか
医員  細田 利奈(大学院生)
医員  原 健太朗(大学院生)
医員  杉本 里乃

医員  前垣 雅哉(大学院生、米子医療センター 出向中)
医員  細田 早郁(鳥取県立中央病院 出向中)
医員  梅田 未来(米子医療センター 出向中)
医員  大井 水樹(松江赤十字病院 出向中)

 電話番号

TEL 0859-38-7507

関連リンク

研究室ホームページ
 https://sites.google.com/tottori-u.ac.jp/hematology/
診療科ホームページ
 http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/medical/hematology/ 【血液内科】