生体情報学分野

Division of Biosignaling

研究室HP  研究室HPはこちら   

分野の特色

 生体情報学分野では、発生および再生の研究により生体が形成され、さらに維持される機構の解明を行っています。さらにその成果から抜本的で大規模な再生医療への発展をめざしています。

 本分野の大きな特色は以下です。類似の研究は国内外、ほとんどありません。
1.増殖制御の観点で発生と再生の謎に挑むこと
2.再生能力が高い動物(イモリ)と再生能力が低い動物(マウス)とを直接、比較し、その違いの分子メカニズムを解明すること。また、マウスでは再生可能組織の肝臓と不可能組織の心臓の比較も行っています。
3.上記のためにマウス、イモリ両方で個体レベルの遺伝子操作が必要。このため、これまで不可能であったイモリの操作を世界で初めて可能にし、さらに発展させ、マウスと比較しています。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

1. 心臓発生における細胞の増殖と分化の調節機構
心臓の発生過程でどのようにして増殖にブレーキがかかるのか、また、その反対に分化が進行するのか、さらに増殖が分化をどのように阻害するのかを研究しています。これまでに私たちは自ら発見したjumonji遺伝子が心筋細胞の増殖にブレーキをかけること、同時に分化を進行させることを発見しました。また、生後の心筋細胞は特定の時期に増殖を停止させますが、それを担う分子(p21,p27)を発見しました。今後の課題は、これらを制御する上位の仕組みです。どのようにして特定の時期にこれら分子を動かすのでしょうか?

2. 成体の心筋細胞の増殖停止メカニズムと心臓再生
生後、私たちを含む哺乳類の心筋細胞は増殖を停止し、二度と分裂しません。この結果、心臓を再生できません。その機構の解明を行っています。これまでの成果で非常に面白いことがわかりました。成体マウスの心筋細胞の多くが増殖に向かうことができること、そしてそれを阻害しているしくみがわかりました。増殖に必要な一つの分子(cyclin D1)が活性化できないのです。一方、成体イモリの心筋細胞では、損傷時に心筋細胞が増殖できます。では、イモリではcyclin D1の活性化は起こるのでしょうか?また、起こるとしたら、マウスとイモリの違いは何でしょうか?
一方、哺乳類では肝臓は再生でき、心臓はできません。上記のマウスとイモリの心筋細胞と同様、細胞の増殖が再開できるか、できないかが大きな原因です。何が異なるのでしょうか?
これらの謎の解明をめざしています。

3. イモリの再生力の解明
尾をもった両生類、イモリは上記の心臓のみならず、レンズ、網膜、脳、心臓などおよそヒトでは不可能な組織の再生を行います。これらの再生では細胞の増殖は必須です。なぜ、イモリでは増殖が可能で、私たちヒトでは不可能なのでしょうか。上記の心臓再生機構の解明はイモリの再生力の根本を明らかにすると考えています。
2と上記の研究のため、分子遺伝学的技術が極めて困難であったイモリ個体で、研究室内大量繁殖、さらにトランスジェニック(外来遺伝子の発現)、ゲノム編集による遺伝子ノックアウトのそれぞれ技術の確立に成功し、現在、これらを駆使した研究を展開しています。

上記の研究成果が基盤となり、将来的にはイモリができる抜本的で大規模な再生をヒトでもできる再生医療へと発展することを期待しています。

スタッフ

教授    竹内 隆
准教授   林 利憲
助教    佐藤 幸夫

 電話番号

TEL 0859-38-6233

関連リンク

研究室ホームページ  https://www.facebook.com/seitai.seimei.toridai