免疫学分野

Division of Immunology

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分野の特色

 当教室は免疫担当細胞であるリンパ球(T細胞、B細胞など)やマクロファージなどの血液系細胞を用い、未分化な細胞が分化していく過程を研究する幹細胞生物学、また、分化した免疫担当細胞の実際の機能について研究する免疫学を主な研究の柱にしています。実際にはマウス血液細胞や各種細胞株などを用いた試験管内の系と、各種モデルマウスなどの生体系を併用して、免疫担当細胞の分化や動向について研究を行っています。学生を含め常に10名前後のこぢんまりとした教室で、各人が個々のテーマで研究を行っています。 

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

ここではやや分かりやすく、当教室の研究の概要を説明します。

1.血液細胞分化誘導系を用いた幹細胞生物学

☆幹細胞生物学とは?-当教室の取り組み-
 血液は、酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、怪我をした時に血を止める血小板、骨を溶かす破骨細胞などで構成されています。
当然、血液細胞にも寿命はありますし、怪我や手術によって出血すれば血液細胞の数は減少してしまいます。しかし、失った血液細胞の数は時間が経つと元通りになります(「ホメオスタシス」)。では、どのようにして赤血球や白血球の数は元通りにされているのでしょうか?
私たちの体の中には、造血幹細胞と呼ばれる細胞が存在します。血液分化1
造血幹細胞は、赤血球、白血球、血小板、破骨細胞に変化することができます(「分化」)。造血幹細胞は状況に応じて、赤血球になったり、白血球になったりしているのです。この様に、複数の種類の細胞に分化する能力を「分化多能性」といいます。
血液細胞がそうであるように、造血幹細胞の数も一定に保たれています。血液細胞を作る源泉である造血幹細胞が枯渇すれば、当然、血液不足になってしまいます。しかし、そのようなことは、特別な場合を除いて生涯起こりません。
それは、造血幹細胞から造血幹細胞が作られているからです。血液分化2造血幹細胞は様々な血液細胞に分化することができますが、同時に、自分自身を作る能力も備えているのです。この能力を「自己複製能」と呼びます。
「分化多能性」と「自己複製能」を持った細胞を「幹細胞」と呼び、造血幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞など様々な組織に特化した幹細胞が存在します。(現在注目されているiPS細胞やES細胞も、幹細胞としての性質をもち、さまざまな組織・臓器への分化多能性を持っている訳です。)
 当教室では造血幹細胞をモデルに、主にマウス血液細胞の試験管内分化誘導系を用いて「幹細胞ってなんだろう?」「どの細胞になるかは、どうやって決められているんだろう?」という疑問に対し、日々立ち向かっています。
 より詳しい研究内容についてはこちらから(やや専門知識のある方向け)。

2.マウス血液細胞を用いた免疫学
☆われわれのやっている免疫学とは?ー当教室の取り組みー
 免疫、というと皆さんはまず何を思い浮かべますか?
 免疫の最大の役目は、字の通り「疫を免(まぬか)れる」つまり、病原体(細菌、ウイルス、寄生虫etc.)の引き起こす病気(感染症)から、体を守るシステムとして働く事です。生体防衛システムとしての免疫で働くのが、T細胞やB細胞といったリンパ球、好中球、好酸球などの顆粒球と呼ばれる細胞、異物を貪食するマクロファージや樹状細胞など種々の血液細胞です。免疫学にはこれらの細胞の機能を解明し、感染症の予防や治療に貢献してきた長い歴史があり、病原体などの「異物」を認識し、炎症などでそれらを排除する機構について、さまざまな事が明らかになりました。
 しかし、免疫学には他にも重要な問題があります。「異物を認識・攻撃するのは分かった、ところで私達の体に対して、免疫は何もしないのか」という問題です。健康な状態では、免疫機構は私達の体(=自己)は攻撃しません(これを自己免疫寛容と言います)。では免疫機構は自己に対しては無視あるのみで何もしないのかといえば、答えはNOです。自己免疫疾患という病気があります。これは、本来異物だけを攻撃するはずの免疫機構が、自分の体を異物同様に攻撃するため、自己組織が障害される病気です。これから分かるのは、免疫機構は普段は自己を確かに認識しながら反応しないようにしている、さらに、異物と自己の見分けは絶対的なものではない、という事です。
 また最近はアレルギーを持つ人が増加し、大きな問題です。これは異物ではあるが、病原体とは違い本来は病気を起こす可能性が低いもの、たとえば花粉、猫の毛などに対して、病原体に対する免疫反応同様の強い炎症が起きる状態です。自己免疫疾患にせよアレルギーにせよ、本来なら反応しなくてもいいものに免疫機構が反応し、病気を引き起こしています。免疫機構の健全さは、排除すべき非自己と攻撃してはならない自己の認識の問題を含め、実は精緻なバランスの上に成立しているのです。
免疫反応
 ・免疫の見分けの機構が破綻すると、自己免疫疾患やアレルギーが発症しうる。
 ・ではどのようにこの機構は保たれるのか?
  当教室ではこのような免疫のシステムの精巧さに興味を持ち、自己の認識と自己免疫寛容の維持、過敏な免疫反応を抑制する機構、アレルギーの原因細胞の除去機構などについて、免疫担当細胞である樹状細胞、マスト細胞や抗体産生細胞などの血液細胞を用いながら各人のアプローチで日々問題に立ち向かっています。
  より詳しい研究内容についてはこちらから(やや専門知識のある方向け)。

詳しくは、「免疫学分野のページ」をご覧下さい。

スタッフ

教授   林 眞一
准教授  吉野 三也
助教   村田 暁彦

 電話番号

TEL 0859-38-6223

関連リンク

研究室ホームページ https://www.med.tottori-u.ac.jp/immunol/307/