遠藤 智子さん(ハローワーク米子)

平成28年度修了

遠藤智子さん 

遠藤 智子

ハローワーク米子 特別援助部門
出身大学:放送大学 
資格:臨床心理士、公認心理師、キャリアコンサルタント

Q1 今どんな仕事をしていますか?

 ハローワーク米子の特別援助部門で、精神障害者雇用トータルサポーターとして働いています。全国のハローワークに237人(2019年度)配置されており、臨床心理士などの資格があることが求められています。心理学の専門的知見に基づき、精神・発達障害者である求職者及び事業主に対する支援を行います。求職者本人に対しては、カウンセリングや就職に向けた準備プログラムの実施、職場実習のコーディネート、専門機関への誘導、就職後のフォローアップなどを行います。事業主に対しては、精神障害者等の雇用に係わる課題解決のための相談援助や医療機関と企業の橋渡し、障害者求人の開拓などを行います。また、職場における障害特性理解と雇用促進のための「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の講師の役割もあります。 

Q2 鳥大院に進学してよかったことは?

 家から近いということです(笑)。仕事と家庭を持つ私には、県外の大学院進学という選択肢はありませんでした。地元に、学びたい専攻のある大学院があったことは奇跡でした。また、地域に密着した鳥取大学医学部にあるコースという点も大きな魅力です。とはいえ、私が学んだ大学は通信制で、他の心理学部卒の学生と比べると心理学に関する知識も少なく、卒業論文すら書いたことがない私にはハードルが高く、アピールできるのはやる気だけでした。そのような私に門戸を開いていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

 脳神経小児科での検査実習や講義での発表など、子どもと同年代のクラスメートにずいぶん助けられました。修士論文執筆では、所属ゼミ外の先生や先輩にも多くの助言をいただきました。これは全て、少人数で先輩・後輩との交流が盛んであり、何より先生方との距離が近く親しみやすいからだと思います。精神科の教授が夕方からの講義終了後、2時間も質問につきあってくださったこともありましたよ。 

Q3 受験生へのメッセージ

 生涯現役社会において、「働く」ことは大きなテーマです。2021年4月1日から、高年齢者雇用安定法の改訂により、70歳までの就業確保措置(努力義務)が導入されました。

「働く人のメンタルヘルスケア」と「障害があってもなくてもその人らしく働くことができる社会」に係わる産業・労働分野の心理職は他の領域と比べて従事する人は少ないですが、今後の活躍が期待されています。この分野で働くためには、医療・教育・福祉・司法の他領域に関する知識と連携が重要であるため、バランス良く学ぶことができる大学院での経験は、仕事に大いに役立っています。将来どの分野で働くにしても、大学院での学びに無駄なことはひとつもありません。心理職のキャリア形成の第一歩として、学部卒の皆さんはもちろん、社会人の方にも積極的に挑戦していただきたいと願っています。

 【修了生の声】にもどる