博士課程の山中智央さんの論文がYAMに掲載されました

2024.8.8

博士課程の山中 智央さんの論文「Exposure-Based Online Intervention and Behavioral Parent Training for a Child with Selective Mutism: A Case Report」がYonago Acta Medicaに掲載されました!

場面緘黙の治療にはエクスポージャーに基づく認知行動療法が効果的とされていますが、子どもが治療機関に来談できない場合には支援の実施が困難です。本ケース報告では、場面緘黙のある子に対して、オンライン技術を用いてエクスポージャーに基づく支援を実施しました。また、母親の育児ストレスも増加していたため、子どもへの支援と並行して母親に対する場面緘黙のためにデザインされた行動的ペアレント・トレーニングを実施しました。その結果、介入中の子どもの発語の頻度、表情、体の動きに改善が見られ、最終的には支援施設に来談し、支援者と非言語的なコミュニケーションをとることが可能になりました。また、場面緘黙に対する行動的ペアレント・トレーニングは、母親の緘黙症状に対する理解の促進および子どもとの接し方を改善し、育児ストレスの軽減につながりました。オンライン技術を利用した介入は、場面緘黙における早期介入のひとつとして重要なものと考えられ、また場面緘黙がある子の受診や来談に対する恐怖心の軽減に有効であることが示唆されました。