竹田伸也教授が鳥大サイエンス・アカデミーに登壇します
2024.4.30
竹田伸也教授が、鳥大サイエンス・アカデミーに登壇します。 居心地よいコミュニティとはどのような社会なのか。臨床心理学の活路は地域にあると考える竹田教授のコミュニティ論。受講料無料。オンラインで全国どこからでも参加できます!
関心のある方は、こちらをご覧ください。
【以下、日本海新聞に掲載された紹介文です】
誰かに助けてほしいとき、私たちは「助けて」と気軽に言えるだろうか? 「言いたくても言えない」そう思う人は、きっと少なくないのではないだろうか。誰かの手助けを必要とする機会は、人である以上当然生じる。何度も何度も。なのに、なぜ私たちの社会は「助けて」と言うことのハードルが、こんなにも高いのだろう。
排他的な心理は、自分の属する集団への過剰な帰属意識から生じる。心理学者カレン・ウィンの見出したこの知見に従うと、障がい者やLGBTQ、在日外国人などへの差別がなぜ生じるか、理由の一端が見えてくる。「彼らは、自分とは異なる存在である」という強い自覚がそうさせるのである。マジョリティ(多数派)のような強い側につながりたいと思えば思うほど、マイノリティ(少数派)のような弱い側と距離を取ろうとするようになる。自分の中にある「弱さ」を表すことを、無理をして抑制するのと引き換えに。
でもちょっと待って。そうやって誰もが当たり前に持っている「弱さ」を抑圧しなければならない社会は、私たちにとって居心地よいのだろうか。そんなはずはない。では、居心地よい社会とはどのような社会だろう。そして、居心地よい社会に向かうために、私たちは何ができるのだろう。そうした話を、私の専門である臨床心理学という枠を超えて、当日は存分にしてみたい。受講する皆さんには、「心の散歩道」をのんびり歩くような気楽な気持ちで聴いてもらえたら幸いである。