山中智央さんの論文が『European Child & Adolescent Psychiatry』に掲載されました

2022.8.22

本専攻修了生の山中智央さんの論文「Long-term outcome of selective mutism : factors influencing the feeling of being cured」が,『European Child & Adolescent Psychiatry』に掲載されました。 

この研究では、場面緘黙経験がある者の長期的な予後として、対人不安の高さや、コミュニケーション・スキル、自尊感情の低さがあることを明らかにしました。また、場面緘黙経験がある者が「主観的に場面緘黙が治った」と感じるためには、現在の発話に対する難しさと対人不安の高低が影響していることを報告しています。したがって、本研究の結果は現在のいわゆる「医療的な場面緘黙の治癒」と「本人が感じる場面緘黙の治癒」には隔たりがあることを示唆しており、場面緘黙の心理療法では、発話のみを目指すだけでなく、対人不安の低減も目標とすることが重要であることを示しています。