呼吸器外科

胸部一般外科

  1 胸壁・胸膜・横隔膜疾患に対する手術
  胸壁疾患は再建術を必要とすることが多く、形成外科との診療連携を行っています。悪性腫瘍では呼吸器内科、放射線科と連携して抗がん剤治療や放射線治療との併用を行います。最近の注目疾患である胸膜中皮腫はアスベスト外来を行っている当院呼吸器内科との連携で、胸膜CTで胸膜肥厚病変を発見した場合にはアスベスト曝露歴を鑑みて、胸腔鏡下胸膜生検の適応を検討します。手術は胸膜肺全摘術を行っており、進行例では呼吸器内科と協力して抗がん剤治療、放射線治療を行っています。横隔膜腫瘍や横隔膜ヘルニアも手術対象疾患です。
 
  2)漏斗胸(ろうときょう)に対する手術
  胸腔鏡を使用したペクタスバーによる胸骨挙上術を行っています。側胸部からのアプローチになるため、創部が小さく、正中創がないのが利点です。バーは23年の留置後に抜去します。
 
  3)手掌腋窩多汗症(しゅしょうたかんしょう)に対する手術
  手掌多汗症はまだまだ知名度が低い疾患の一つですが、罹患数は予想以上に多く、悩みをかかえた人がたくさんおられます。適応を慎重に判断した上で美容的配慮も鑑み、細径3mmのスコープを使用して胸腔鏡下胸部交感神経切断術を施行しています。12日の入院が原則で、これまで全例で術後の発汗が停止しており、高い満足度を得ています。