1.原発性肺癌の増殖活性と悪性度に関する研究
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器官病理学講座の協力を得て、がん細胞の増殖を規定するライセンス化因子(MCMやGeminin)について切除された肺癌組織を使用して解析しています。ライセンス化因子の異常は細胞の増殖活性に影響を与え、原発性肺癌の予後不良因子となることが判明してきています。
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原発性肺癌の脈管侵襲(リンパ管侵襲・血管侵襲)は肺癌の浸潤能を表し、リンパ節転移、血行性因子を引き起こします。脈管侵襲は予後不良因子となることより、術後の補助療法を考慮する因子としても重要であると考えています。
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近年増加している肺腺癌の多型性と悪性度に関する研究を進めており、特にmicropapillary typeが予後不良であることを発表しています。
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2.原発性肺癌の手術時洗浄細胞診に関する研究
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肺癌の開胸時(手術開始時)、閉胸時(手術終了時)に洗浄細胞診を行い、陽性の場合の予後が不良であること、胸膜浸潤との関係や病期に反映する必要があることなどを研究しています。
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3.肺癌に対する低侵襲手術に関する研究
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肺癌に対する胸腔鏡手術を積極的に推進に、その妥当性を研究しています。特に完全胸腔鏡手術の手技の工夫を行っており、開胸手術と遜色のない予後、開胸手術を上回るQOL成績が出ています。
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4.肺癌に対する縮小手術に関する研究
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I期肺癌に対して胸腔鏡下肺葉切除、区域切除、部分切除を症例選択をしながら比較検討しています。また、JCOG/WJOGの共同研究である肺癌縮小手術(区域切除、部分切除)に関する臨床試験に参加しており、縮小手術の手術成績を研究しています。
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5.ロボット支援胸腔鏡手術に関する研究
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2011年1月からda Vinci Sを用いたロボット支援手術を開始し、手技の工夫を重ねています。肺癌、重症筋無力症、縦隔腫瘍が適応であり、院内の倫理委員会の承認のもとに臨床研究としてロボット支援手術を推進しており、先進医療取得を目指しています。
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6.高齢者肺癌の外科治療に関する研究
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山陰は高齢者肺癌の割合が多く、低侵襲外科手術を推進しています。特に80歳以上の高齢者でも全身状態を考慮して手術適応を判断します。肺年齢やCharlson comobiditiy index(CCI)を術前のリスク因子の判断材料としています。
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7.COPD肺癌に対する外科治療、周術期管理に関する研究
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COPD合併肺癌の割合は多く、肺年齢を用いて肺機能を多角的に判断しています。COPD合併肺癌は術前にtiotropiumを吸入することで一秒量の改善を認めており、周術期管理に有用と考え実践しています。
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8.術後補助化学療法の有効性に関する研究
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肺癌の術後補助化学療法について、岡山大学を中心とした瀬戸内肺癌研究会の共同研究に参加しており、抗がん剤の第2相試験、第3相試験を行っています。
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