Tottori University Faculuty Of Medicine Division Of Urology
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膀胱癌

膀胱癌は50歳以上の方に好発します。男性に多く女性の2~3倍の頻度です。
喫煙者は非喫煙者の2~4倍の発生率であると報告されています。
主な症状は肉眼的血尿や膀胱炎様の排尿時痛・頻尿などがあります。

膀胱癌の診断

尿検査

尿中に悪性細胞(癌細胞)が含まれていないか調べます(尿細胞診)。

画像検査

超音波検査:超音波を用いて、膀胱内の状態を確認する検査です。
排泄性腎盂造影:造影剤を注射して、尿路(腎、尿管、膀胱)を描出する検査です。

膀胱鏡検査

尿道口より内視鏡を挿入して膀胱内を観察する検査で、膀胱癌の診断に最も重要な検査です。
膀胱鏡で膀胱癌が確認された場合、さらにCT、MRI検査、骨シンチグラフィなどの検査で膀胱癌の進行度を診断して治療方針を決定します。

膀胱癌の治療

膀胱癌は大きく2つのタイプに分けることができます。

表在性膀胱癌

膀胱癌の約70%がこのタイプで、膀胱壁の浅いところまでにとどまる腫瘍です。
内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術)で治療が可能ですが、約半数の患者さんで再発するため、手術後は外来で定期的な検査が必要です。
また再発予防目的に膀胱内に抗がん剤などの薬剤を注入する治療を行うこともあります(膀胱内注入療法)。

浸潤性膀胱癌

膀胱癌の約30%がこのタイプで、膀胱壁の深いところ(筋層)まで達する腫瘍です。腫瘍がリンパや血液にのって転移することもあります。浸潤性膀胱癌は内視鏡手術では根治することはできません。転移がない場合は、膀胱を摘出する手術(膀胱全摘除術)を行います。膀胱を摘出する場合には、尿を体外に導くために尿路変向術が同時に必要となります。尿路変向術には、おなかに集尿袋を貼る手術(回腸導管または尿管皮膚瘻)と自然排尿が可能な手術(新膀胱)がありますが、患者さんの一般状態や病気の進行度に応じて、患者さんと相談のうえ尿路変向術を決定します。

従来の開腹による膀胱全摘除術は多くの出血を伴う手術でした。ロボット支援根治的膀胱全摘除術では手術中の出血量は著しく減少することが見込まれ、疼痛の軽減、術後の早期回復が期待されています。当科では、2013年より全国でもいち早くロボット支援根治的膀胱全摘除術を開始し、低侵襲手術に取り組んでおります。

詳しくはロボット支援根治的膀胱全摘除術のページをご覧下さい。

また、転移がある場合は、抗がん剤を全身に投与する治療(全身化学療法)を行います。