教室紹介
疾病の実態を分析して
予防医学に反映し
地域住民の健康度を高める
当研究室では、「社会に還元できる疫学研究」をモットーに公衆衛生に深く根付いた医学研究を進めています。依存症やがん発症、高齢者の生活などの実態を解析して、地域住民の健康増進に貢献しています。
環境予防医学分野 教授
教授からのメッセージ
近年、注目が高まっている依存症の疫学等の社会の健康課題を俯瞰的に研究する一方、学生と地域の保健医療現場に一緒に赴き現場から学ぶことを大切にしています。海外のように公衆衛生・衛生学の地位が高まり、医療者の進路として注目されるように学内や地域社会での存在感を高めていけるよう活動しています。医学博士、社会医学系専門医、産業医資格の取得、海外留学など将来の進路の選択肢を広げるためにも、ぜひともお越しください。
研究室の歴史
環境予防医学分野(旧衛生学)の歴史は古く、1947年に開講しました。初代村江通之教授、二代目渡辺嶺男教授(1975年着任)、三代目中山英明教授(1985年着任)、四代目岸本拓治教授(1997年着任)を経て、尾﨑米厚が2012年に着任しました。初代教授時代には、ネパールの医療協力に従事し日本の国際医療協力の草分けとして知られる岩村昇医師も在籍していました。
当分野のモットーは、「社会に還元できる疫学研究」であり、70年以上の長きにわたり、時代の変化に対応して公衆衛生に深く根付いた医学研究を進めてきました。
左から、
初代：村江 通之教授
［1947(昭和22)年7月～1975(昭和50)年4月］
二代目：渡辺 嶺男教授
［1975(昭和50)年8月～1984(昭和59)年3月］
三代目：中山 英明教授
［1985(昭和60)年4月～1997(平成9)年3月］
四代目：岸本 拓治教授
［1997(平成9)年10月～2012(平成24)年3月］
五代目：尾﨑 米厚教授
［2012(平成24)年12月～］
教育の特徴
当分野は、学部学生を対象に多くの講義・実習を行っています。医学科の科目としては、1年のキャリア入門、大学入門ゼミ、基礎生物学、医学史、最新診断・治療学、基礎医学体験、2年の生命倫理学、社会環境医学、3年の疫学と予防医学、研究室配属、4年の社会医学チュートリアル実習を担当しています。教員による講義に留まらず、患者やその家族から語りを聞く特別講義、ディベート形式で行う生命倫理、地域や地域医療・保健現場での体験型学習など様々な学びの機会を提供しています。課外活動では、地域医療・国際保健サークル「国際保健友の会ハクナマタタ」の顧問をしています。地域フィールドや途上国への海外研修にも同行することがあります。
大学院教育としては、当大学の卒業生のみならず、他大学の出身者も含めて10名以上の社会人大学院生の教育・指導を行っています。また鳥取県と共同する「社会医学系専門医鳥取プログラム」の責任者も担っています。
学生との東北研修
学生との海外研修(タンザニア)研究の特徴
当分野の研究は、疫学研究が中心です。依存症の疫学(成人や中高生の喫煙・飲酒行動に関する疫学調査、ゲーム行動症等の嗜癖行動に関する調査)、がんの疫学、高齢者の疫学などの研究とともに、終末期に関する調査、介入研究(事業所職員や大学生に対する減酒指導の効果を検証するための無作為化比較試験)なども実施しています。
当研究室内に、全国がん登録に係る鳥取県のがん登録室があることも特徴であり、がん登録の実務スタッフが常時在籍しています。社会人院生は様々な診療科に所属しており、それぞれの専門に関連した臨床疫学的な研究に取り組んでいます。
地域貢献
当分野のスタッフは、国(厚生労働省、文部科学省)、県、保健所、県医師会、市町村、医療保険者等の様々な課題に関する委員会の委員を務めています。市町村からは健康づくり計画策定の支援等健康づくり活動の支援を依頼されることも多くあります。最近では、協会けんぽや国保連合会等医療保険者との接点が多くなっています。産業医、健診医としても活動しています。また調査結果を論文にするだけではなく、一般住民へ伝えるためにメディア出演、講演会、行政の委員会を通して社会へ還元していけるよう取り組んでいます。
テレビでの健康情報提供当分野の取り組みにご関心のある方は、ぜひお問い合わせください。
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