公益財団法人北野生涯教育振興会の助成を受けてHPを作成しております。
鳥取大学医学部は山陰地方の歴史と伝統ある医学部として、21世紀にふさわしい医学、生命科学、保健学を修得し、これを実践できる人材を育成するための先進的な教育を行います。
そして、限りない人間愛を涵養しながら、地域社会の課題を解決し、地域の発展に貢献するとともに、国際的に活躍できる個性輝く創造性豊かな人材の養成を目指しています。
*看護学専攻の教育理念・ミッションは医学部HPをご覧ください。
鳥取県は、北は日本海に面し、鳥取砂丘をはじめとする白砂青松の海岸線が続き、南には、中国地方の最高峰・大山をはじめ、中国山地の山々がつらなっています。
気候は比較的温暖ですが、冬には降雪もあるなど、四季の移り変わりは鮮やかです。
過疎・中山間地域では、少子・高齢化や人口・世帯数の減少に伴い、地域産業や生産活動が衰退し、地域コミュニティを支える住民自治活動ができなくなるなど、日常生活を地域で支えることが困難となっている地域も見られます。
また、鳥取県では、生活習慣病、フレイル、認知症の方が増加し、現実には健康寿命と平均寿命との開きはまだまだ大きく、社会的にも対策を講じて健康寿命を延ばすことが今後の課題となっています。
母子保健の面では、「子育て王国」を掲げ、子育て支援に積極的に取り組み、効果が上がっています。
このような背景を踏まえ、看護学専攻では、看護学の理論と技術を修得し、人間の尊厳を守り、地域特性に合わせた看護を実践できる看護職の育成を目指します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)とは、学位授与の判断のための基本的な考え方として、修了要件や育成する人材に修得を期待する能力などを示したものです。
*看護学専攻の学位授与方針は医学部HPをご覧ください。
人々の医療・看護ニーズが、複雑化・多様化しています。
看護職が、人々に質の高い看護を提供し、専門職として活躍し続けるためには、生涯にわたり学び続け、自らの資質向上を図ることが求められます。
今後、看護職が人々の健康に貢献する専門職であり続けることを目指し、本学では、看護実践能力を高める教育を目指しています。
©イラスト製作者:イラストスタジオ福之画
「看護実践能力」を高める要素に、「自ら学ぶ力」があります。
下記の図は、これまでの研究や経験から導かれた本学看護学専攻における看護実践能力を高める要素をまとめたものです。
「自ら学ぶことができる人」とは、自分の特性を理解したうえで自分に適した学習計画を立てることができる人、学習に関する自己の行動目標を立てて、学習中も進捗状況や意志、意欲を自分でコントロールできる人、そして、学習の目標達成や学習の自己評価を行い改善につなげていくことができる人です。
看護学専攻では、学生の「自ら学ぶ力」と「看護実践能力」の獲得をサポートします。
1年次は、鳥取キャンパス(鳥取市)で1年間修学し、2年次から米子キャンパスで修学します。
他学部の学生とともに学びを深めます。
1年次後期(10月)から一部の授業科目を米子キャンパス(米子市)で実施します。
1年次~4年次にかけて全学共通科目を学びます。
幅広い教養を身につけながら、実習などの経験と関連づけ専門知識を深めていきます。
1年次~4年次にかけて専門科目を学びます。
心と身体の仕組みの理解、多様な社会活動の理解、社会保障制度生活者の健康、疾病の成り立ちと回復など看護学を学ぶ上で基盤となる科目を学びます。
そして、人の成長発達の視点、生活の場の視点、健康にかかわる課題の側面から看護の対象者の理解を深め、生活を支え、生活を整える様々な看護方法を学びます。
このように、学生は講義・演習・実習で、「気づく」「知る」「やってみる」「熟考する」のプロセスを繰り返し、4年間を通して学びを統合していきます。
カリキュラム・ポリシーとは、教育目標やディプロマ・ポリシー等を達成するために必要な教育課程の編成や授業科目の内容および教育方法について基本的な考え方を示したものです。
*カリキュラム・ポリシーは医学部HPをご覧ください。
コース・ツリーでは、4年間の学びの過程(科目構成)を閲覧することができます。
*コース・ツリーはこちらからご覧ください。
看護学教育のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
デジタル社会で活躍できるICT活用スキルの備わった医療人育成に尽力しています。
授業では、ICTを利活用したアクティブラーニングを行っています。
BYODを導入しています。
BYOD とは、Bring Your Own Deviceの略で、個人所有のノートパソコンを授業や学習に活用しています。
学生が自由に使える無料Wi-Fi設置などICT教育環境を整備しています。
学習効率を上げ、学習理解度の向上が期待できます。
「情報リテラシー」において、以下について学習しています。
コンピュータネットワークを利用して学習を支援するシステムを提供しています。
資料配布やアンケート、小テスト等の多様な機能があり、講義や研修等で利用されています。
主体的・協同的なアクティブラーニングを実現する新しいプラットフォームとして、電子教科書を導入しています。
電子コンテンツを活用し、医療・看護への興味・関心を高め、学生が主体的に学ぶ姿勢を向上させることが期待できます。
アレスコ棟の3階には、実践的なトレーニングができるプロジェクション型VRシステムを搭載したシミュレーションルームがあります。
夜間の一般病棟や災害医療現場など通常は体験できない臨床現場を再現できます。
ヘッドマウントディスプレイを装着した学習者がVR体験中の映像は、実際の音響とともに壁全面に実寸大で投影され、臨床現場をリアルに再現した空間で、体験の共有が可能となります。
鳥取大学オリジナル版のシナリオを開発し、従来の臨地実習では経験できない場面を再現し、効率的な課題解決能力の育成を行っています。
仮想空間で患者とかかわりながら、患者の反応を観察し、アセスメントし、必要な看護技術を提供するというVR看護学教材7領域を利活用したシミュレーション学習を導入しています。
模擬患者では再現不可能な侵襲性のあるシナリオも再現でき、繰り返しトレーニングにも応用できるフルCGをベースとしたインタラクティブなコンテンツです。
病室を再現した実習室では、鳥取大学医学部附属病院で使用している電動ベッドを導入しています。
実際の看護場面を再現した状況で、成人や高齢者シミュレータ(人形)を使って、看護技術のトレーニングはもちろんのこと、適切な看護ケアなど実践的なトレーニングを行うことが可能です。
講義で得た知識を活用し、実際の看護場面を再現した状況で繰り返し学ぶことで、看護を実践するための臨床判断プロセスや適切な技術・態度を養うことができます。
VRの技術を活用し、認知症の中核症状を一人称で体験することによって、認知症者への理解を深める学習を行っています。
将来医療に従事する看護学生にとって、認知症の方とどのように接していけば良いのかを深く考える機会となっています。
このように、学内で知識・技術・態度を身に付け、臨床現場での実習に臨んでいます。
次世代型教育ツールを用いた学習方略によって、適切な看護を実践するために必要な知識・技術の定着と医療人としての態度を養い、「個性の尊厳に基づいた看護実践能力」を養う教育を目指しています。