脳神経小児科学分野

Division of Child Neurology

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分野の特色

 脳神経小児科部門は、発達障がいやてんかん、頭痛、チック、知的障害、脳性麻痺、染色体異常、脳炎・脳症、先天性代謝異常、神経筋疾病など、多くの疾患を対象にしている。けいれん重積状態や急性脳症などの神経救急疾患も対応している。脳性麻痺のボツリヌストキシン筋注療法・バクロフェン髄注療法などの特殊治療の他、重症心身障がい児の在宅支援も行っている。神経疾患や神経筋疾患の遺伝学的検査を遺伝子診療科と連携して実施している。子どもの心の診療拠点病院推進室を窓口として子どもの心の問題に関わる地域関係者支援のため、地域の医療機関や保健・福祉・教育機関と連携し、支援ネットワークを築いている。

分野での主要な研究テーマとその取り組みについての説明

a. 急性脳症の疫学と早期診断法
急性脳症は、小児の後天性脳障害の主要なものである。本邦に多いがその正確な発生頻度や病型、予後などは知られていない。鳥取県の急性脳症の疫学研究を行い、臨床症状や臨床検査所見から早期診断に有用な因子を抽出する研究を行っている。

b. 急性脳症の脳波解析による早期診断
急性脳症に特異的な検査はMRIであるが、発症から数日は異常を認めないことがしばしばである。そこで、発症初期から高率に異常所見を認める脳波検査を利用して、急性脳症の診断に有用な脳波所見を見出すために、視覚的ならびにコンピューター解析で研究を行っている。この研究により、熱性けいれんと急性脳症を判別できる新しい方法を開発することを目指している。

c. ウエスト症候群の脳波解析による予後予測
ウエスト症候群は乳児期に発症する薬剤抵抗性てんかんの1つで、脳MRI以外に予後を予測するツールが乏しいことが課題である。早期に予後を予測することができれば、患者さん毎にオーダーメイドの治療方針を立てることが可能となる。当科では、発症時の脳波検査をコンピューター解析することで、客観的かつ少ない侵襲で予後を予測することを目的とした研究を行っている。

d.医療的ケア児の災害対策
鳥取県内には約130名の医療的ケア児が在宅での生活をしている。東日本大震災や熊本大地震、西日本豪雨といった規模の災害が当県でもいつ起こるかわからず、対策は喫緊の課題である。当科は当院の高度救急救命センターや鳥取県と協力し、医療的ケア児が避難できる福祉避難所の設立・運営を行うための手法を検討し、地域とともに災害対策を行なっている。

e. ライソゾーム病に対する薬理学的シャペロン療法の開発
ライソゾーム病は先天的な酵素欠損により生じる神経変性疾患である。現在、神経症状に有効な治療法は極めて乏しく、開発が望まれている。我々は脳内に移行可能な基質類似体(シャペロン化合物)を用いて、神経型ゴーシェ病に対する基礎ならびに臨床研究を実施している。この研究により、神経変性疾患の中枢神経治療法の確立の早期実現を目指している。

f. 算数障がいの診断ツール開発
算数障がいは,数に関する理解と実行に障がいがあることを特徴としている。有病率は3から6%とされているが,標準化された診断ツールはないのが課題である。算数学習に困難を感じる子どもを早期に発見し、適切な教育的支援を受けるためには、医学的見地からの評価を行うこと重要である。当科では、算数障がいが疑われる子どもの早期発見と適切な支援のための評価ツールとトレーニングアプリの研究開発を進めている。

 

スタッフ

教授    前垣 義弘 
准教授   岡西 徹
講師    成田 綾
助教    中村 裕子
助教    金井 創太郎
助教    川口 達也
助教    吉野 豪
助教    荒井 勇人

助教(特命) 土江 宏和
医員    太田 健人
医員    大城 一航
医員    梅田 真洋
医員    太田 亮
医員    奥田 太郎
医員(遺伝子診療科) 岡田 健太郎

大学院生  DAERHAN BURANBAI

 電話番号

TEL 0859-38-6777

関連リンク

研究室ホームページ https://www.med.tottori-u.ac.jp/nousho/
診療科ホームページ
 http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/departments/medical/child-neurology/ 【脳神経小児科】
重症児の在宅支援を担う医師等養成事業 https://www.med.tottori-u.ac.jp/jushoji/
小児在宅支援センター http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/s-zaitaku/