当科は日本膵・胆管合流異常研究会が実施する「膵・胆管合流異常症登録症例の集積および追跡調査」に協力施設として参加しています。
膵・胆管合流異常は、解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常(奇形)です。
正常の十二指腸乳頭部では、十二指腸乳頭部括約筋(Oddi括約筋)が胆管末端部から膵胆管合流部を取り囲み、胆汁の流れを調節する一方、膵液の胆管への逆流を防止しています。
膵・胆管合流異常では、膵管と胆管が合流した共通管が長く、括約筋作用が膵胆管合流部に及ばないために、膵液と胆汁が相互に逆流します。
膵液の胆道内への逆流(膵液胆道逆流現象)は高率に胆道癌を発生させると報告されています。
しかし、本疾患は稀な疾患であるため不明な点が多く、未だに各施設で治療方針が統一されていないのが現状であります。
したがって、早急に、この疾患の正確な病態把握と適切な治療法を確立する必要があります。
そこでこの疾患の全国調査を行い、症例登録し、統計解析する研究を計画しました。これらの疫学研究を通して膵・胆管合流異常の病態解明、さらには病態に基づく治療法の確立、胆道癌の発生率、予後調査などへの展開が期待されます。
つきましては、この説明書をお読みいただき、ご理解、ご承諾をいただいたうえ本研究にご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。
この研究は当院の倫理審査委員会にて審査の上、許可を得ています。
この疫学研究へのご協力は患者さまの自由意志によるものです。ご協力いただけない場合でも患者さまが不利益をこうむることは一切ありません。その場合でも私どもが責任をもって患者さまの治療を行います。
この疫学研究は膵・胆管合流異常症例を全国登録し、集積・追跡調査することにより、本疾患の病態及び至適治療法の解明を目的とします。
平成28年6月~平成30年12月31日
・この臨床研究に協力するかどうかは患者さまの自由です。お断りになっても、その後の治療で患者さまが不利益を受けることはありません。
・協力中止を希望される場合には、いつでもやめることができますので、当科の医師に申し出てください。この臨床研究への協力を途中でやめても、引き続き適切な治療を行いますので患者さまの治療に不利益になることはありません。さらに途中で同意を撤回される場合は、これまで登録した全てのデータは、完全に削除します。
・この臨床研究に協力することを決めた後に、治療に関して新たにわかった重要なことは、すぐに患者さまにお知らせいたします。続けて臨床研究に協力するかどうかは、その時あらたに決めてください。
・患者さま個人に関する情報(例えば、お名前や住所など)はいっさい明らかにされませんのでご安心ください。
・結果をまとめ、医学雑誌などに発表することがあります。この場合であっても患者さまのお名前や個人に関する情報はいっさい明らかにされません。
・この研究が正しく行われたかどうかを調査するために、この研究を計画した研究会や当院の倫理審査委員会が、患者さまのカルテを見て確認することがあります。この場合でも患者さまのプライバシーは守られます
本臨床研究にご参加頂くことによる謝礼金は生じません。さらに患者さまの費用負担は全くございません。
本研究において研究費用は発生せず、利益相反状態にありません。
本研究は、特許取得を目的とした研究ではありません。
しかし結果として特許権などが生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関および研究遂行者などに属し、患者さまには属しません。
また、その特許権などを元にして経済的利益が生じる場合がありますが、患者さまにはこれについても権利があるとは言えません。
特にありません。
この研究についてもっと知りたいこと、心配なことや相談がありましたら、遠慮なく担当の医師あるいは以下までお問い合わせください。
鳥取大学医学部附属病院 消化器外科・小児外科
日本膵胆管合流異常研究会 担当医師: 高野周一
電話番号 0859-38-6562