診療案内

大腸癌について

大腸癌は年々増加しており、男性では肺癌、胃癌についで第3位、女性では第1位の死亡数となっています。

しかしながらその治療成績は手術、化学療法の進歩などにより確実に向上しています。
大腸癌の治療の中心は手術です。またその手術の中心となっているのは腹腔鏡下手術です。
日本では現在、結腸癌、直腸癌ともに60%以上が腹腔鏡下手術で行われています。

当科でも2010年から腹腔鏡下手術が開腹手術を超え、現在では8割近くの患者様が腹腔鏡下手術(ロボット手術を含む)を受けておられます(図1)

大腸癌手術症例数(図1)
大腸癌手術症例数

当科では日本内視鏡外科学会の技術認定医を中心に、質の高い手術を提供しています。
大腸癌のなかでも特に直腸癌の手術は難しく、施設によって治療成績に差があることがいわれています。
この困難な直腸癌に対して腹腔鏡下手術の鮮明な画像が有効であるとの報告が多くみられています(図2)。
よく見えることでより繊細な操作が可能となり、永久の人工肛門を避けて肛門温存が可能となる患者様も増加しています。ロボット支援下手術はその究極といえるでしょう(図3)。

腹腔鏡下手術での良好な視野ロボット支援下直腸癌手術

平成30年4月にロボット支援下直腸癌手術が保険収載となりました。
新しい手術であり、施設基準が設けられていますが、直腸癌領域では当院は山陰で初の認定施設になりました。
現在直腸癌手術はほとんどがロボットにて行っており、そのメリットを最大限生かした手術が提供できるように努めております。
ロボット手術を希望される方はおっしゃってください。

進行した直腸癌に対しては術前に放射線化学療法を行うことで永久の人工肛門を避けることができたり、再発のリスクを減らすことが可能となります。残念ながら永久人工肛門が避けられない患者様に対してはできるだけ快適なオストメイト生活を送って頂けるように、術前から専門看護師と協力して適切な人工肛門を作るように努めています。

一方で化学療法は多剤併用療法と分子標的治療薬の登場により、切除不能と診断された患者さまでも30ヶ月以上の生存期間が得られるようになってきています。また、化学療法を行うことで切除が可能となる患者様も増加しています。

大腸癌Stage別生存率

化学療法、手術、放射線治療などを組み合わせた、集学的治療を行うことで質の高い時間を長く過ごして頂くことが可能となります。
大腸癌の化学療法は副作用対策(支持療法)をしっかり行うことで、ほとんど外来で行うことが可能です。
当科では治療の目的にあった化学療法を行うよう患者様とよく相談して治療を行うよう心掛けています。

大腸癌に対する治療はその進行度や部位によってさまざまです。担当医とよく相談の上、最適な治療法を選択することが重要です。
また、患者数の増加により少々待ち時間が発生しております。
ご迷惑をお掛けしますが、時間に余裕をもってお越し下さいますようお願い申し上げます。



鳥取大学医学部
器官制御外科学講座
消化器外科・小児外科
(第一外科)
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