高度肥満症に対する外科治療について

食事について

手術前の食事について

手術前に減量し、内臓脂肪を減らすことが手術の成功と術後の回復のために、非常に重要とされています。

減量するための基本は・・・・
  1. ゆっくりよく噛んで食べる。
  2. 腹八分目を意識する。(特に夕食)
  3. 食物繊維の多いものを増やす。(きのこ・海藻類)
  4. 間食やジュース類を控える。
  5. 油っこい料理は、頻度を減らす。
  6. 麺類+ごはんなど炭水化物ばかりに偏った食事を控える。
  7. 夜はなるべく早め(22時までに)に寝て、深夜に食べない。
フォーミュラ食の導入について
フォーミュラ食の目的は・・・・
  1. 手術前に脂肪肝を縮小させて手術の安全性を高める。
  2. 手術後の栄養障害を予防する。
  3. 手術後のリバウンドを予防する。

1日1食をフォーミュラ食に置き換えることで、摂取エネルギー量が低下し、減量することが可能になります。
※フォーミュラ食は自己購入になります。



手術後の食事について

胃を切っても日常的に食事に気を付けないといけません。

  1. 食べ方
    • 1回に入る容量(150ml程度)が限られる為、普段通りに食べてしまうと吐き気や嘔吐など起こりやすくなります。
    • 胃は伸縮するために普通に食べてしまうと6-9ヶ月間で元の量を食べることが可能となってしまいます。
    • 無理な伸縮を胃に与えない事も大切です。
    • 大さじ1杯(15ml)程度を3分おきに時間をかけて飲むなど、注意が必要です。

  2. 食事の形態
    • 食事は段階食となり、医師と相談しながら食事形態を変更していきます。
      食事のスケジュール
      術後~14日目液体のみ
      術後14日目~1か月後半固形(離乳食のような状態)
      術後1か月以上固形物
    • フォーミュラ食も併用します。

  3. 気を付けること
    • 糖分の多いものは控える(ジュース、アイス、あめ、菓子など)
    • 脂肪の多いものは制限する(プリンやアイスも要注意)
    • 水分は脱水予防のため、1日に1.5-2リットルは飲む事!(水・お茶など)

  4. サプリメント
    • 食事が少ないため、必須アミノ酸、ビタミン・ミネラル補給の為、サプリメントの併用が必要となります。

  5. 術後に起こりやすい栄養障害について


    亜鉛不足

    術後数週間から起こりやすい

    摂取量低下により、ビタミン・ミネラルは不足するが、特に亜鉛不足が報告されています。亜鉛不足が続くと味覚異常が生じます。

    脱毛

    術後1か月くらいから起こる事がある

    たんぱく質摂取不足と栄養の吸収障害から、髪の毛の構成主成分であるケラチンというたんぱく質が不足する為起こります。

    筋肉減少

    術後数か月から起こりやすい

    術後、食事摂取量が激減するため、脂肪とともに筋肉も減少します。 適度な運動と、筋肉構成物質のたんぱく質摂取が大切になります。



鳥取大学医学部
器官制御外科学講座
消化器外科・小児外科
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