当科は、一般的には田舎とされる山陰の地にありながら、開心術症例は年間200例近く(総手術件数400例以上)に及びます。これは、中四国の大学病院の中でも有数の症例数を誇ります。また当科の特徴として、低侵襲治療や最先端医療に積極的に取り組んでいます。
今や治療の選択肢のひとつとして一般的となった、「ステントグラフト内挿術」や「経カテーテル的大動脈弁植え込み術;TAVI」といった、カテーテルによる低侵襲治療を、認可後早期より導入しています。
ステントグラフト内挿術に関しては、2006年の認可後、2007年より当科での治療を開始し、2019年末現在で900例(腹部500例以上、胸部400例以上)を超えています。放射線科IVRチームと協力し、遠隔期の成績向上に取り組んでいます。TAVIは、2013年10月の認可後、2015年5月より治療開始し、現在までに170例に及びます。
一般的な、内視鏡補助下の小切開手術はもちろんのこと、手術支援ロボット;da Vinciを用いた手術(冠動脈バイパス術、僧帽弁形成術)にも積極的に取り組んでいます。
重症心不全に対する補助循環治療に、積極的に取り組んでいます。2012年には中国四国地方で最初の「植込み型補助人工心臓実施施設」として認定されました。現在までに7例の患者さんに植込み型補助人工心臓の治療を行い、2名の方が心臓移植を受けられました。また、2019年には、新しい補助循環装置である「IMPELLA(インペラ)」が導入され、急性の重症心不全症例に積極的に導入し、良好な結果を得ています。
以上のように、一般的な手術症例はもちろんのこと、低侵襲治療・最先端治療も同時に経験することができます。これは、全国的に見ても非常に充実していると自負しています。見学を希望される方は、いつでも誰でも可能です。鳥取大学心臓血管外科の魅力を充分に感じていただけると思います。
見学希望者や相談がある方は、下記まで連絡をお願いします。
TEL | 0859-38-6577 (医局直通) |
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FAX | 0859-38-6579 (医局直通) |
メールアドレス | nige@med.tottori-u.ac.jp |
鳥取大学では将来外科医を目指す学生のために、初期臨床研修プログラムに「最先端外科専門プログラム」を設けています。これは、学生時代から外科に興味をもった人、そして早く外科の道を究めたい人のために用意したコースです。外科マインドを徹底的に身につけ、外科専門医の最短取得を目指します。1年目の最初6ヵ月で本院の外科3科(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科)を2か月ずつ研修します。
初期研修終了後は、当科に入局していただき、後期研修となります。鳥取大学医学部付属病院や、関連施設にて心臓血管外科の専門研修(外科の基礎研修を含む)を受けることになります。後期研修2~3年のうちに、外科専門医取得に必要な症例数を経験することが可能です。その後は、大学院への進学、さらなる臨床研修を行いつつ、サブスペシャリティである心臓血管外科専門医の取得を目指します。
2007年4月 | 鳥取大学卒 2年間、鳥取大学医学部附属病院にて初期臨床研修 |
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2009年4月~ | 大阪府立急性期総合医療センターにて後期研修(外科・心臓血管外科) |
2011年7月~ | 鳥取大学医学部附属病院助教 |
2012年 | ステントグラフト実施医取得(腹部・胸部) |
2013年1月 | 外科専門医取得(卒後6年目、最短)ステントグラフト指導医取得(腹部、最短) |
2013年4月 | 大学院入学 |
2014年 | ステントグラフト指導医取得(胸部) |
2015年1月 | 心臓血管外科専門医取得(卒後8年目、最短) |
2015年1月~3月 | 大阪大学心臓血管外科にてTAVIトレーニング |
2017年3月 | 大学院卒業 |
2018年 | TAVR(TAVI)実施医取得 |
2014年4月 | 鳥取大学卒 2年間、鳥取大学医学部附属病院にて初期臨床研修(外科専門プログラム) うち、8ヶ月間は浜田医療センターにて研修 |
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2016年4月~ | 3年間の後期研修 鳥取大学医学部附属病院心臓血管外科;1年間 山陰労災病院心臓血管外科;1年間 浜田医療センター心臓血管外科;1年間 |
2016年 | ステントグラフト実施医取得(腹部・胸部) |
2019年4月~ | 鳥取大学医学部附属病院助教 |
2020年1月 | 外科専門医取得(卒後6年目、最短) |
2020年 | ステントグラフト指導医取得(腹部、最短) |
初期研修後のどの時点においても入学は可能です。社会人大学院制度(臨床勤務を行い、給与を得ながら研究も行う制度)もあり、専門医取得を目指しつつ学位取得も可能です。
希望に応じて積極的に国内・海外への留学を奨励しています。