ライソゾーム病は細胞内小器官であるライソゾーム中の酸性水解酵素自体または活性化因子などの遺伝的欠損により、細胞内に様々な物質(糖脂質、ムコ多糖、オリゴ糖、ペプチドなど)が蓄積し細胞障害を引き起こす疾患群です。
現在、約50種類以上の疾患が知られており、その多くは進行性の中枢神経障害を呈します。発症年齢は新生児期から
成人まで幅広く、精神運動発達遅滞・退行や痙攣、嚥下障害、視力障害など症状も疾患により多彩です。以前は対症療法に治療法が限られていましたが、1980年代に骨髄移植が、1990年代に酵素補充療法が開始され、多くの臨床的効果を挙げております。
当教室ではライソゾーム病の診断・治療・研究に取り組んでおり、下記疾患に対する酵素活性測定、特殊染色による診断(ニーマンピック病C型に対する培養線維芽細胞を用いたFilipin染色)を行っております。これらの疾患を疑われる症例で、当教室へ検査をご依頼される際には必ず事前にメール(または電話)にてお知らせ頂ますようお願いいたします。