• 研究・業績紹介
  • 脳神経小児科の研究・業績を紹介いたします。

研究テーマと取り組み

  • ライソゾーム病に対する薬理学的シャペロン療法の開発
  • ゴーシェ病はライソゾーム酵素欠損により生じる遺伝性変性疾患で、非神経型神経型に大別されるが、標準治療である酵素補充療法は神経症状には無効である。本邦では国内患者数100名弱のうち、神経型が過半数を占める事から、新たな中枢神経治療の開発が望まれている。我々は脳内に移行可能で、変異酵素を活性化する基質類似体(シャペロン化合物)を見出し、特定の変異を持つ酵素活性を正常レベルまで上昇させることを明らかにした。また、2009年にカナダのグループによる市販の去痰であるアンブロキソールのシャペロン効果の基礎研究を受け、2010年より神経型ゴーシェ患者に対するアンブロキソールを用いたシャペロン療法の臨床研究を世界に先駆けて開始し、高い安全性、忍容性と神経症状に対する有効性を確認し、同時に治療効果判定に用いるバイオマーカーの確立にも取り組んでいる。この研究により、ドラッグリポジショニングによる難治性神経変性疾患の中枢神経治療法の確立の早期実現を目指している。
  • 急性脳症の疫学と早期診断法
  • 急性脳症は、小児の後天性脳障害の主要なものである。本邦に多いがその正確な発生頻度や病型、予後などは知られていない。鳥取県の急性脳症の疫学研究を行い、臨床症状や臨床検査所見から早期診断に有用な因子を抽出する研究を行っている。



  • 急性脳症の脳波解析による早期診断
  • 急性脳症に特異的な検査はMRIであるが、発症から数日は異常を認めないことがしばしばである。そこで、発症初期から高率に異常所見を認める脳波検査を利用して、急性脳症の診断に有用な脳波所見を見出すために、視覚的ならびにコンピューター解析で研究を行っている。この研究により、熱性けいれんと急性脳症を判別できる新しい方法を開発することを目指している。
  • 医療的ケアの必要な障害児の在宅支援チームの確立
  • 近年、新生児医療の進歩、救急医療の進歩により、以前は救命できなかった命が助かるようになってきた。しかし、命は助かっても障害を残してしまうケースは少なくない。その中には、気管切開、人工呼吸、胃瘻栄養、吸引などの医療的ケアを必要として自宅へ退院するケースも多い。医療的支援だけでなく、生活を見越した支援を行うために、医療と福祉が協力し支援できる地域の体制を確立できるよう努めている。

著書

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