クロザピンによる治療

クロザピンは、今までの薬では改善しなかった統合失調症の方々に効果をもたらす可能性のある飲み薬です。日本では、2009年から処方できるようになり、治療反応率は60%前後と言われています。

クロザピンについて

クロザピンは、今までの薬では改善しなかった統合失調症の方々に効果をもたらす可能性のある飲み薬です。日本では、2009年から処方できるようになり、治療反応率は60%前後と言われています。症状の改善だけでなく、QOL(生活の質)の回復、地域で生活できる期間が延びる、攻撃的行動や自殺衝動が減るなどの良い面もあります。
一方で今まで飲んでいた薬は中止してからクロザリルを始めるため一時的に症状が悪化する場合があることや、副作用の早期発見・防止の観点から入院環境下で開始し、厳格なプロトコールに従って処方を行うことも定められています。

処方できる施設基準については規定が設けられており、当院はクロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)登録医療機関となっています。

クロザピン治療には患者と医師が利点、欠点の情報を共有し、治療方針を共に決定する姿勢が大切です。制約の多い薬ですが、病気を抱えながら、新しい目標をもって生活するために、クロザリルは一定の役割を果たすと期待されています。