Tottori University Faculuty Of Medicine Division Of Urology
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教室の歴史

昭和21(1946)年10月21日、故・吉田重春鳥取大学名誉教授が九州大学から米子医学専門学校に赴任され、鳥取大学医学部皮膚泌尿器科教室を開講した。

昭和40(1965)年10月1日、皮膚科学教室と泌尿器科学教室がそれぞれに分離独立し、助教授であった現鳥取大学名誉教授の後藤甫先生が初代泌尿器科学教授に就任し、我々の鳥取大学医学部泌尿器科学教室の歴史が始まりました。後藤甫先生は、教授在任期間中、前立腺肥大症の注射療法、泌尿器疾患と脳波の研究、男性ホルモンに関する研究、尿道・膀胱に関する生理学的研究、腎盂・尿管蠕動運動のペースメーカーに関する研究などに取り組まれ、その研究成果は国内外より高い評価を受けました。

長年にわたって教室の繁栄に努力された後藤甫先生は、昭和62(1987)年3月31日に定年退官され、同年7月1日に、助教授であった現鳥取大学名誉教授の宮川征男先生が第二代教授に就任。在任中の研究においては、排尿障害の診断と治療、超音波診断法による組織性状診断、性ホルモンと膀胱機能、男性不妊、レーザー顕微鏡を用いた血尿鑑別、内視鏡手術などに貢献し、特に、排尿障害の診断と治療、レーザー顕微鏡を用いた血尿鑑別、喫煙による精子機能の低下、無精子症などの重度の男性不妊の治療の面に精力的に取り組み、これらの成果はその価値が国際的にも高く評価され、現在の泌尿器科診療に大きな影響を与えている。

臨床においては、後藤甫、宮川征男両先生が地域の標準医療の提供のみならず、数々の先端医学にも挑戦し、鳥取県、島根県、兵庫県の各地域の中核として活躍している多くの泌尿器科専門医を育成した。

平成22(2010)年3月31日に宮川征男先生が定年退官され、同年7月に神戸大学准教授であった武中篤先生が第三代教授に就任した。同年10月から前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘除術を開始し、国内のトップランナーとして900例を超えるロボット支援手術(前立腺全摘除術、腎部分切除術、膀胱全摘除術、腎盂形成術)を行っている。また、「人のために何かができる医療人・社会人となる」ことを教室のビジョンとして掲げ、各個人の強化とともに教室と関連病院を含めた組織全体のレベルアップに取り組んでいる。その成果は20名の腹腔鏡技術認定医、17名のロボット手術認定医、7名のロボット支援手術プロクター取得として着実に実を結んでいる。研究においては「低侵襲・機能温存手術」、「尿路悪性腫瘍における新規マーカー開発」、「下部尿路機能障害」、「男性不妊」、「医療機器開発」を中心に臨床的・基礎的研究に取り組み、多くの国際学会、国際学術誌で報告を行ってきている。今後も幅広い分野の研究を進めていくとともに、新規の低侵襲治療を積極的に取り入れ、安全かつ高度な医療を地域に提供できるようにスタッフ一同精進していく所存である。

2021年5月末

開講50周年記念式典(2016年)