診療内容と特色

当科の診療内容のご案内です。

診療内容

 

角膜

角膜感染症をはじめ、すべての角膜疾患に対応できる診療体制を整えています。特に、角膜ヘルペスについては、独自に開発したreal-time PCRを用いて正確な病因診断を行っています。また、角膜移植については、各種の角膜移植手術を施行しており、シアトルのアイバンクの協力を得て、海外ドナーを用いた角膜移植をおこなうことによってドナー不足を補い、良好な成績をあげ、山陰の角膜移植センターの役割を担っています。最表層に限局した角膜混濁については、山陰地方で唯一エキシマレーザーを用いた治療的レーザー角膜切除術(PTK: phototherapeutic keratectomy)を行っています。

 

斜視・弱視

小児から成人までを対象とした斜視(外斜視、内斜視、眼振など)や、小児を対象とした弱視(視力の発達不良)を専門に診る外来です。視能訓練士により視力検査、眼位検査、両眼視検査などを行い、多くの弱視治療および訓練を行っています。小児において術前検査を外来にて行うことにより2泊3日の入院で斜視手術が可能となりました。成人においては外来手術が可能です。また内反症や眼瞼下垂といった眼付属器の加療も多く行っています。

 

結膜・アレルギー

難治症例の春季カタル、アトピー性角結膜炎の病因精査を点眼誘発試験、スクラッチテストなどにより行っています。また、研究的なサイトカイン、ケモカイン分泌試験なども対応を準備中です。

 

涙道

内視鏡的涙道精査をルーチンに行っています。涙道狭窄にはシリコーンチューブ挿入が第一選択となりますが、涙道内視鏡下に涙道開口部を拡張しますので、確実なステントの留置を行うことができます。慢性例や再発症例には、耳鼻科協力のもと、鼻内内視鏡と最新の耳鼻科用ドリル(XPS-3000)を用いた涙嚢鼻腔吻合術により対応しています。皮膚切開はまったく必要とせず、術後創部の状態を気にされる女性の方にも適しています。手術は、局所麻酔にて30-60分程度、市内の方は日帰りが可能です。

 

緑内障

緑内障外来では、正常眼圧緑内障から血管新生緑内障などの難治症例まで幅広い病型を対象に眼圧検査、ハンフリー自動視野計やゴールドマン動的視野計を用いた視野検査、超音波生体顕微鏡(UBM)を用いた前房・隅角画像検査など緑内障の診断およびフォローアップに重要な検査を施行し、病期や進行の程度に応じた適切な治療を選択することに主眼をおいて外来診療を行っています。手術療法はマイトマイシンCを用いた線維柱帯切除術、線維柱帯切開術、チューブシャント手術を症例に応じて選択し、施行しています。

 

網膜硝子体

網膜・硝子体疾患に対し、各種眼底造影撮影装置、OCTスキャナー、OCTアンギオ等最新の機器を揃え診断に効果をあげています。手術面では高速硝子体カッターを用い、小切開硝子体手術も導入、難症例に対し最新の治療を行っています。また黄斑変性に対するPDT(光線力学療法)、血管新生を伴う疾患に対する抗VEGF抗体硝子体内注入などを積極的に行っています。

 

糖尿病眼科

本学独自の糖尿病ガイドラインに基づいて、糖尿病内科をはじめとする関連他科と連携のもと、主には重症網膜症の精査・加療を行っております。また、当科の専門外来の広域性・特殊性といった特徴を活かし、網膜症のみならず各種糖尿病眼合併症の精査加療についても実績があり対応可能です。

 

未熟児網膜症

毎週水曜日に当院周産期医療センター入所中の未熟児網膜症並びに先天異常や感染症を含む各種眼科精査を新生児科医師の依頼のもと行っています。重症未熟児網膜症に対しては、手持ち眼底カメラを用いた精査・診断や、波長特性の異なる2機の双眼倒像鏡デリバリー光凝固システムを用いて、全症例センター内で加療しており、全身状態が不良な超未熟児に対しても呼吸器管理下で安全に治療が可能です。

 

神経眼科・電気生理

眼から大脳皮質視覚野に至る視覚情報の入力経路を、ERGを始めとする電気生理学的検査や神経眼科的検査を用いることによって機能的に評価しています。それらの検査を、網膜・視神経疾患の病態を正しく理解し適切な治療を行う指標として、頭蓋内疾患に関しては部位や程度の診断と、治療前後の視機能評価として活用しています。また、眼球運動障害の定量的計測によって、責任病巣の解明と病状経過の評価を行っています。