鳥取大学医学部感覚運動医学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科分野

研究内容

臨床研究

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高解像度マノメトリーを用いた嚥下動態解析

鏡視下咽頭手術、放射線治療後など頭頸部癌治療における嚥下動態変化について高解像度マノメトリーをもちいて解析し、機能温存メカニズムについて研究しています。
また、パーキンソン病などの変性疾患に対しても、病状変化に伴う嚥下動態の変化について高解像度マノメトリーを用いて解析し、変性疾患の予後予測などについて研究しています。

上部消化管内視鏡検査における新規マウスピースの有効性の検証

上部消化管内視鏡検査で問題となる咽頭反射を軽減させるためのマウスピースを開発し、メカニズムや臨床効果について検討しています。

前庭リハビリテーション

適応生理学教室と共同で、下半身陽圧負荷装置を用いて、前庭リハビリテーションとしての臨床効果や安全性について検討しています。

鼻閉

多施設共同研究で、音響鼻腔計測装置を用いて、健常成人の基準値策定について検討しています。

[耳科]中耳手術成績に関する要因の検討

鼓室形成術に代表される中耳手術の手術成績をまとめ、聴力改善成績や病変の再発状況をまとめ、影響する要因を調査し今後の診療に活かすことを目的としている。

[頭頸部]セラミドの抗腫瘍効果と皮膚保護効果の検討

健康食品であるグルコシルセラミドを内服させ、動物実験で証明された頭頸部癌に対する抗腫瘍効果がヒトでも実証されるかどうか検討している。
また元来肌の保湿に役立つとされるが、化学放射線治療の合併症として生じる皮膚炎に効果があるかどうかも検討している。

放射線治療後に生じた頭頸部異時性重複癌に対する鏡視下手術の機能的アウトカム

頭頸部領域への放射線照射歴がある患者に、異時性重複癌を認める頻度は高い。
過去の照射歴の影響で治療選択肢は限られ、多くの症例では機能を犠牲にした手術が選択される。
近年鏡視下手術に関わる機器や手術手技の向上により、こうした異時性重複癌に対する低侵襲な治療として鏡視下手術が台頭しつつあるがその機能的アウトカムについては不明な点も多い。
特に嚥下機能について、術前後に嚥下機能評価を行うことで、どのような影響が生じているのかを明らかにすることを目的としている。

有害事象の抑制

頭頸部がん化学放射線療法は様々な有害事象を生じるが、それらの抑制は重要な課題である。
有害事象の予防やケアは確立されていない現状があり、当院ではアセスメントやケア内容を統一するためクリティカルパス(CP)を作成運用している。
統一したアセスメントや副作用を予測した介入を行う事は、体重減少を始めとした有害事象の抑制に有用である可能性があり、検討を行っている。

術中超音波検査の有用性に関する研究

超音波検査は簡便で解像度の優れた検査機器であり、頭頸部領域でも広く用いられています。
安全かつ確実な手術を行う上で手術中にも超音波検査を併用し、その有用性について検討を行っています。

神経変性疾患の嚥下障害に対する嚥下圧測定の有効性について

神経変性疾患では嚥下障害を高率に合併する。嚥下障害による誤嚥性肺炎は主要な死因である。
神経変性疾患ごとに障害される咽頭の部位や程度が異なるといわれている。
このため神経変性疾患の嚥下障害を正確に理解するためには詳細な評価が必要である。
高解像度マノメトリー(high resolution impedance manometry: HRIM)による嚥下圧測定は圧センサーが上咽頭から上部食道入口部にかけて各部位の嚥下圧を定量的に測定できる方法である。
本研究では神経変性疾患における嚥下圧を測定することで疾患ごとの障害の部位と程度を客観的に評価できると考える。

運動ニューロン疾患における舌圧測定の有効性について

運動ニューロン疾患では嚥下障害を高率に合併する。
1)2)嚥下障害による誤嚥性肺炎は重要な死因である。
嚥下機能検査である嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査はどちらも定性的な評価方法で、特殊や機器や部屋を必要とする検査である。
一方、舌圧測定は検査手順が簡易で検査者による影響が少なく、舌圧を数値化し定量的評価が可能である。
ALSでは舌の運動障害と嚥下障害が関連する報告があり、舌圧測定結果と従来の嚥下機能検査の結果を比較することで舌圧測定が嚥下障害のスクリーニング検査として有用に使用できる可能性を考える。
また、コントロール群の舌圧と比較することで病勢の進行度と舌圧の低下の関係を明らかにする。

咽頭癌に対する喉頭を温存する治療前後で嚥下機能を定量的に評価する有効性

咽頭癌に対して喉頭を温存し音声を残すことができる治療方法は治療後のQOL維持のためにも非常に重要である。
咽頭癌では放射線療法や放射線化学療法でも根治治療として選択できる。
放射線治療や放射線化学療法も治療後の嚥下障害が問題になることがある。
これらの治療に伴う嚥下障害の原因として咽頭機能の低下が指摘されているが、定性的な検査での評価が主であり、定量的に評価された報告がない。
嚥下圧検査は定量的な検査方法である。
測定結果から治療法による嚥下機能の障害度の評価や今後の治療法の改善を検討するデータとしても有効に活用できると考えられる。

喉頭上皮内腫瘍を対象とした術中狭帯域光内視鏡観察の視認性調査

声帯白板症の手術直前に特殊な光を使って観察することで、手術範囲の精度を上げられると考え、検証しています。




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