主要な研究テーマ

★口唇裂・口蓋裂

口唇裂口蓋裂の術後には必ず鼻咽腔閉鎖機能評価を行い、より良い構音を獲得するため言語訓練を行います。言語訓練時には、“鼻息鏡”という呼気の鼻腔への息漏れの程度を測る器具を使いますが。鏡の曇りで判断するために評価が曖昧になりやすかったり再現性がないという問題がありました。これを改善するために、鳥取県内で「産・官・学」一体となって、新しい装置の開発に取り組んでいます。

★ゲノム編集技術を利用した新規骨再生法の開発

口腔顎顔面領域においても骨再生分野は臨床的に非常にニーズの高い分野ですが、未だ実用化に向けての課題は多く、さらなる骨再生研究が望まれています。そのため骨分化能を持っているヒト間葉系幹細胞にゲノム(遺伝子)編集技術を利用して骨分化マーカーを導入したモニター細胞の作製に取り組んでいます。そしてモニター細胞を利用して新規骨再生法の開発を目指しています。

★口腔癌に関する研究

がん抑制遺伝子の一つであるmaspinと、口腔癌との関連についての研究をしています。maspinは、細胞内局在において予後良好因子、予後不良因子の両方が報告されており、未だ議論されている領域マーカーです。さまざまな領域での検討が行われていますが、口腔癌での報告はなく、これに関する新しい知見が得られれば口腔癌の予後予測に使用できるのではないかと期待しています。

★骨に関する研究

近年、骨粗鬆症や癌の骨転移に対して使用するビスフォスフォネート系製剤(以下BP製剤)などの骨修飾薬の副作用としてみられる薬剤関連顎骨骨髄炎が、臨床上問題となっています。多くの症例報告がある一方、発症原因は未だ解明されていません。抜歯などの外科処置後に骨髄炎が生じた部位の歯肉は、治癒が遅延し、骨が露出した状態となってしまいます。このことに着目し、私たちはBP製剤が歯肉に及ぼす影響について研究を行っています。

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