染色体レベルでの遺伝子操作と機能解析
染色体工学技術を応用したがん研究
正常なヒト染色体および改変染色体をがん細胞株に導入するという独自の研究手法を用い、
多様な機能を持つがん抑制遺伝子をコードする染色体の特定に成功しました。
これにより、がん抑制遺伝子がどの染色体上に存在し、どのような役割を果たしているのかを明らかにすることが可能になりました。
また、同定した染色体とその領域を染色体地図として整理し、視覚的に分かりやすい形でまとめています。
この地図は、がん研究だけでなく、他の疾患研究にも応用できる貴重な情報基盤を提供しています。
さらに、染色体地図を基に高度な遺伝子解析と染色体工学技術を融合させたアプローチを進めています。
具体的には、外来染色体を導入したがん細胞を用いて次世代シークエンサーといった遺伝子の網羅的な解析技術を駆使することで、
さらに詳細な遺伝子情報を取得し、新しいがん抑制遺伝子の発見を目指しています。
これにより、がん発症のメカニズムを分子レベルで解明し、より効果的ながん治療法の開発につなげることが期待されています。
また、この基礎研究の成果を応用し、創薬の可能性も追求しています。
例えば、新たに発見されたがん抑制遺伝子の発現を制御とする薬剤を設計することで、がん患者の予後改善に寄与できる可能性があります。
このように、基礎研究から応用研究への橋渡しを意識したアプローチを取ることで、
単なる学術的な知見の蓄積にとどまらず、実社会での医療の進展にも寄与することを目指しています。

論文一覧
2023年
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Human artificial chromosome carrying 3p21.3-p22.2 region suppresses hTERT transcription in oral cancer cells.
Takahito Ohira, Kaho Yoshimura, Hiroyuki Kugoh
Chromosome research : an international journal on the molecular, supramolecular and evolutionary aspects of chromosome biology 31(3)
2023-06-24
DOI:
10.1007/s10577-023-09726-8
2022年
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Activation of PPARγ in bladder cancer via introduction of the long arm of human chromosome 9.
Shimizu R, Ohira T, Yagyu T, Yumioka T, Yamaguchi N, Iwamoto H, Morizane S, Hikita K, Honda M, Takenaka A, Kugoh H
Oncology letters 23(3)
2022-01-27
DOI:
10.3892/ol.2022.13212
-
MTA1, a metastasis‑associated protein, in endothelial cells is an essential molecule for angiogenesis.
Mizuho Ishikawa, Mitsuhiko Osaki, Narumi Uno, Takahito Ohira, Hiroyuki Kugoh, Futoshi Okada
Molecular medicine reports 25(1)
2022-01
DOI:
10.3892/mmr.2021.12527