鳥取大学医学部 器官制御外科学講座 呼吸器・乳腺内分泌外科学分野

乳腺内分泌外科

患者さんへ

鳥取大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科では、現在は乳癌を中心とした乳腺疾患を専門として診療にあたっています。
年間の手術件数は約180-200件です。約130件が全身麻酔下での手術であり、乳腺悪性腫瘍手術が主体となっています。整容性と根治性のバランスを考慮した手術を行っています。
乳癌については診断から治療(外科治療および薬物療法)まで幅広く対応しています。また、遺伝性腫瘍の診療やがんゲノム医療などにも対応できるよう多診療科で連携をとり、体制を整えています。
地域の皆さまの心に寄り添いながら、ガイドラインに沿った標準的医療およびQOLを重視した個別化治療を提供することを心掛けています。

 

外来担当医

乳腺内分泌外科

直通電話 0859-38-6732 内線6732
令和7年4月1日現在
診療科名 区分 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
胸部外科診療科群 田中 雄悟

乳腺内分泌外科
(科長)
若原 誠
初診 若原 誠
細谷 恵子
(乳腺)
担当医
(検診対応など)
(乳腺)
※事前連絡
必要
細谷 恵子
田中 裕子
(乳腺)
若原 誠
細谷 恵子
(乳腺)
再診 若原 誠
細谷 恵子
担当医
(乳腺)
若原 誠
田中 裕子
(乳腺)
細谷 恵子
田中 裕子
(乳腺)
担当医
(乳腺)
若原 誠
細谷 恵子
担当医
(乳腺)
専門
外来
化学療法 化学療法 化学療法
セカンドオピニオン
リンパ浮腫外来
化学療法

*初診の場合は電話で確認の上、予約をお取り下さい。
*セカンドオピニオン外来:対応可能な日程を電話でご確認ください。 担当:若原 誠

外来受付

受付場所外来棟3階
新来受付8:30~10:30
再来受付8:30~11:00
自動再来受付機は8:00から稼働します。
診療開始時間9:00~
休診日土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始(12月29日~1月3日)
お問い合わせTEL:0859-38-6732(外来直通)
診療科名:
呼吸器外科(科長)  田中 雄悟
乳腺内分泌外科(科長)  若原 誠

 

診療内容

乳腺外科

1) 乳癌

乳癌は日本人女性が罹患する癌で最も多く、年々増加しています。
乳癌の診断は、単に乳癌であるかどうかだけでなく、その性質や病変の拡がりなどを正確に診断する必要があります。当院では乳癌を疑う方に対して、マンモグラフィ、超音波(エコー)、乳房MRI検査などを行い、正確な画像評価を行っています。画像評価の後、組織を採取(生検)し、ホルモン受容体やHER2タンパク発現の有無といった乳癌の性質を含めた詳細な病理診断を行います。乳腺の性質によっては手術の前に抗癌剤などの薬物療法を先行します。また、乳癌が進行している場合にも薬物療法で腫瘍を小さくした後に手術を行います。
当院では毎年100例を超える乳癌手術を行っています。乳房全切除術と乳房部分切除術(乳房温存術)が主な手術術式です。また、明らかなリンパ節転移がない場合にはアイソトープ法と色素法を併用したセンチネルリンパ節生検を行い、必要でないリンパ節郭清の省略を心がけています。形成外科医と合同で、乳房全切除後の乳房再建手術も行っています。手術後は切除した乳癌組織の病理診断結果によって薬物療法や放射線治療の適応を判断します。術後の治療方針については、診療科内カンファレンス、病理検討会、キャンサーボードにおいて、乳腺外科医、病理医、メディカルスタッフが合同で討議した上で決定しています。
乳癌診療ではチーム医療を重要視しています。医師のみでなく、乳がん看護認定看護師を含めた看護師、薬剤師、リハビリテーション技師、歯科衛生士、社会福祉士など多岐にわたるスタッフが乳癌患者さんに関わっています。多職種が参加して行う乳癌キャンサーボードを週に1回の頻度で開催し、患者さん個々の病状や思いなどについて皆で話し合い、きめ細かい診療が行えるよう努めています。

2) 乳腺良性疾患

若年女性に多い線維腺腫などの乳腺良性腫瘍や、乳腺炎や乳腺膿瘍など炎症性疾患といった乳腺良性疾患にも対応しています。
適応がある場合には乳腺良性腫瘍への手術も行っています。乳腺炎や乳腺膿瘍に対しては抗生剤による治療や必要時には切開排膿などの処置を行っています。

3)遺伝性乳癌への診療

当院では多診療科で構成される遺伝性腫瘍診療チームを結成しています。遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)に代表される遺伝性乳癌に関する検査を行える体制を整えています。保険診療適応内でのリスク低減乳房全切除術も行っています。また、自費診療での乳房サーベイランスにも対応しています。

 

受診の流れ

乳腺疾患

  • 1.問診票記載

    受診された方、皆さまに記載いただいております。
    診療を行う上で大切な情報となりますので、漏れのないように記載をお願いいたします。
  • 2.マンモグラフィ撮影

    乳房のX線検査です。
    当院のマンモグラフィ撮影は女性の検査技師が行っています。
    乳癌検診異常で受診された際でも再度の撮影が必要になります。ご了承ください。
  • 3.超音波(エコー)検査

    診察室内で行います。
    最新の機械を用いて乳房と腋窩を確認します。
  • 4.針生検検査、
    細胞診検査

    腫瘍性病変を認めた場合、エコーで画像を確認しながら、針で組織や細胞を採取します。
    確定診断のために必要な検査です。
    乳癌の診断には針生検検査が基本となります。より組織量が必要な場合には吸引式組織生検が必要となる場合もあります。
    結果説明は後日に外来で行う形となります。
  • 以下は、乳癌と診断された場合の追加検査です。
    ※当院では検査の予約が取りにくい状況となっていますので、他院での検査予約をとらせていただく場合があります。
  • 5.乳房造影MRI検査

    乳癌の腫瘍の形状や乳房内の拡がりを確認するために撮影します。造影剤を使用する検査です。手術の術式を決定するためにも必要な検査です。
  • 6.造影CT検査

    乳癌病変の評価と、リンパ節転移や全身への転移の有無を調べるための検査です。造影剤を使用する検査です。3次元画像により腫瘍の拡がりも確認することもできます。
  • 7.PET-CT検査、
    骨シンチ検査、
    頭部MRI検査

    全身への転移を調べるために撮影することがあります。腫瘍が大きい場合やリンパ節に転移を認めている場合には、より検査を行う必要性が増します。

 

 

当科での手術

乳腺疾患

乳癌

根治性と整容性のバランスを考慮した手術を心掛けています。
乳房部分切除術を行う場合には、整容性を保つように可能な範囲で乳房形成も行います。
乳房全切除を行う方には、適応がある場合には形成外科と協力して乳房再建(インプラントもしくは自家組織を用いた一次・二期的再建)も行っています。

  • 乳房部分切除術(乳房温存術)
  • 乳房全切除術
  • 乳頭温存乳房全切除術 / 皮膚温存乳房全切除術+ティッシュエキスパンダー挿入術
  • センチネルリンパ節生検 / 腋窩リンパ節郭清
 

乳腺良性腫瘍

局所麻酔下に乳腺腫瘍摘出術を行います。
腫瘍が大きい場合には全身麻酔下でも手術を行います。
腫瘍摘出後の状態が目立たなくなるよう、整容性も重視しています。

 

 

手術実績