文部科学省 課題解決型高度医療人材養成プログラム 重症児の在宅支援を担う医師等養成

活動報告

第5回インテンシブコース(8月26日)

〔プログラム〕
・グループワーク「思春期:日中活動の場と身体合併症の管理について考える」

第5回インテンシブコースでは“思春期”をテーマに、2つの事例についてディスカッションしました。1つ目は、思春期に起こりうる身体合併症の管理と日中活動の場でのケアのポイントについて、2つ目は入浴の支援についてディスカッションしました。

アンケート集計結果:

H29 第5回インテンシブコース(8月26日)表1 H29 第5回インテンシブコース(8月26日)表2
H29 第5回インテンシブコース(8月26日)表3 H29 第5回インテンシブコース(8月26日)表4 

 グループワーク終了後の振り返りシートを、多職種連携コンピテンシーの協働的能力に沿って記載してもらいました。抜粋は以下の通りです。

<職種役割を全うする>
・思春期の発達の中で看護師はその成長の特徴を捉え、側弯が進行しやすい、体格の増大、永久歯への完全移行、薬量の変更とその影響等それぞれを考慮して関わらなければならない。(看護師)
・栄養状態に応じた食事指導(看護師)
・呼吸状態の観察、排痰援助。褥瘡の観察、ケア方法の検討。生活の場(ベッド等)やポジショニングの情報提供。(看護師)
・日中生活での褥瘡発生要因(おむつや夜間、注入姿勢等)を介護者に指導していく(看護師)
・バギー等のチェック・作成、ポジショニングの検討(PT)
・補助具(座位保持など)の評価、作成をDr、業者、PTと行う。(OT)
・褥瘡対策の一環としての栄養管理について留意する必要がある。(ST)

<自職種への内省>
・看護師としてどうしても医療面にばかり目が行ってしまうが、自宅で生活している、学校に通っている1人の児として全人的に見据えて、成長に合わせて関わり、他とのコーディネーター役を遂行する。(看護師)
・ケア用具等の知識をつける(看護師)
・栄養状態、注入内容についても考える。(PT)
・小児が生活する上で、制度やサービス内容の知識がまだまだ足りない。(PT)
・1日の中でどのタイミングで口腔ケアをすれば良いのか考える必要があると気づいた。(ST)


<他職種への理解>
・学校の教職員やNs、放課後デイのNs、介護スタッフ、リハビリや歯科(衛生士)などとの調整は変わらず必要。思春期ということで状況によっては同性介助、ケアなども考慮する。(看護師)
・学校でできること、デイでできることに理解と把握(看護師)
・学童期の学業支援体制について知識を得る。また地域でどのような学校があるか知っておく。(看護師)
・訪問入浴は週に2回しか利用できないことを知った。(PT)
・学校での体位変換やポジショニングが不十分なことがある。(PT)
・褥瘡の処置方法を任せたい。(PT)
・皮膚トラブルの情報をしっかり共有したい。(PT)
・学校に出向いて学校での生活やポジショニング、介助方法を伝達しているセラピストもいることを知った。(PT)


<関係性への働きかけ>
・学校生活や放課後等デイで過ごす中で、それぞれのNsやスタッフの介入を得たり、学校のない曜日で側弯対策としてリハビリの導入、また訪問歯科の導入等をもってくる。(看護師)
・サポート体制について、サービス担当者会開催を提案(看護師)
・排痰方法、ポジショニング、栄養状態について他職種(Dr、PT、ST)へ検討を依頼、相談する。
(看護師)
・学校の先生との協力(授業中の姿勢の提案)(PT)
・皮膚状態や過ごし方(学校・家・デイでどんな事をしながら過ごすのか、環境)の情報を共有しながらポジショニング方法の検討を行い、伝えていく)(PT)
・日中の姿勢、活動について家庭、学校、デイ、他のサービス機関と連携する。(OT)