文部科学省 課題解決型高度医療人材養成プログラム 重症児の在宅支援を担う医師等養成

事業概要

事業概要

本事業の概要についてご説明いたします。

背景・課題

医療の進歩により救命される新生児が増えている一方で、脳や呼吸器に障害を持つ児が増えています。これらの重症児は、必要な医療行為が高度であるため、入院が長期化します。重症児の長期入院はNICUベッド確保困難の一因であり、近年、社会問題となっています。酸素投与や人工呼吸器、経管栄養などの医療を常時必要とする重症児が退院するためには、自宅での医療行為が必要です。必要な医療行為が高度であることや、在宅医療を支援する体制が未整備なため、重症児が家族と安心して暮らせる地域社会の実現が必要です。

重症児の累積人数

解決

人材育成

1)大学院コース

小児科医を対象に、重症児診療に必要な高度な医学的知識と診療技能を習得し、多職種・多機関と連携できる人材養成を目的としています。

2)インテンシブコース

重症心身障害医療に関わる他職種との相互理解・相互連携を学び、重症心身障害児・者の在宅支援/在宅移行支援を円滑に実践できる医師・コメディカルを養成します。

大学院 障害児医療学コース

【教育内容の特色】

重症児の在宅医療に必要な知識・技能を身につけるこれまでにない教育コースです。 地域支援ネットワークをつくりあげるために必要な、コミュニケーション能力の習得を医学系教育プログラムに盛り込みます。

【指導体制】

脳神経小児科学分野教授を主任指導者として同分野の教員および連携大学小児科分野教授等が連携して専門教育を行います。

【養成すべき人材像】

重症児の病態(神経生理、呼吸生理、代謝等)を理解し在宅医療に必要な医療・福祉・行政制度に習熟した小児科医を養成します。 多職種と関わり指導者としての力を発揮するためのコミュニケーション能力を身に付けることを目的とします。

【修了要件】

必修科目を含む30単位以上を履修し、単位を修得すること。学位論文を提出し、学位審査に合格すること。

<履修科目>

  • 小児在宅医学特論基礎
  • 小児在宅医学特論応用
  • 脳形成異常特論
  • コミュニケーション特論
  • 先天代謝異常症と遺伝カウンセリング
  • 先天代謝異常症と新生児マススクリーニング
  • 小児神経学トレーニング
  • 実践的小児神経学演習
  • 在宅人工換気実習
  • 発達・発達解析学演習

など

重症児の在宅支援を担う医師等養成 インテンシブコース

【コースの概要】

重症心身障害医療に関わる多職種との相互理解・相互連携を学び、重症心身障害児・者の在宅支援/在宅移行支援を円滑に実践できる医師・コメディカルを養成するコース です。 ライフステージごとの生活に応じた支援を多職種の中で学びます。

【グループワーク】

症例を通して、生活をベースにした医療的ケアや福祉サービスの組み立て方とその理由、それぞれの職種の役割と考え方を学びます。

【実技講習会】(基礎編・アドバンス編)

心肺蘇生、気管カニューレ交換、呼吸理学療法、在宅人工呼吸器の使い方などを学びます。

【講義】

重症児に多い様々な疾患・関連する医療器材、家族看護、福祉制度、医療経済・診療報酬などに関する講義は、原則、e ラーニングシステムにより行います。

※障害児医療学コースと並行して受講可能です。
※受講料は無料です。

大学院障害児医療学コースとインテンシブコースは、
下記大学の連携による講義、研修等もプログラムに含まれています。

各大学の専門領域

鳥取大学/脳障害の評価と治療
山形大学/脳形成障害の解析
秋田大学/脂質代謝異常の解析
大阪市立大学/代謝異常の治療


地域ネットワークの構築

県内の重症心身障がい児・者の包括的な地域支援を実現することを目的とし、シームレスなサービスを提供できるようなネットワーク構築を目指します。

鳥取県小児在宅支援ネットワークマップ ※準備中


4大学連携

  • 連携大学と分担して大学院教育を行う。
  • 各大学の得意分野を生かして高度な知識と技能を習得する。
  • 4拠点(鳥取大学、大阪市立大学、山形大学、秋田大学)の得意分野を生かして 高度な知識と技能を習得し、その地域連携モデルを4拠点で構築する。また、e-larningやシステムを活用し、各大学のスタッフが定期的に講演を行い、大学院生の学べる場を広げる。

組織図