キャリア・進路 Careers and Pathways
Graduates
working in the field
現場で活躍する先輩たち
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腎・泌尿器系検査の スペシャリストに なるために2012年卒業 | 鳥取大学医学部附属病院 検査部堀江 拓耶 Takuya Horie
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組織・細胞と向き合うことが 患者さんと向き合うことに 繋がる2009年卒業 | 鳥取大学医学部附属病院 病理部松重 貴大 Takahiro Matsushige
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循環器領域の研究を 地元医療に活かす2010年卒業 | 松江赤十字病院岩田 祐紀 Yuki Iwata
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山陰初 フリーランス臨床検査技師の 働き方と可能性2010年卒業 | フリーランス(はっとラボ)など服部 博明 Hiroaki Hattori
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地域の健康を守る保健所で 活躍する臨床検査技師の 幅広い活動2010年卒業 | 島根県益田保健所 衛生指導課西村 圭祐 Keisuke Nishimura
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鳥取大学から世界へ ふたご研究で予防医学に挑む2010年卒業 |
大阪大学大学院医学系研究科ツインリサーチセンター荒川 裕也 Yuya Arakawa -
臨床・研究・教育を通じて 次世代の検査技師を育成2009年卒業 |
香川県立保健医療大学保健医療学部臨床検査学科大栗 聖由 Masayoshi Oguri -
臨床検査技師とおなじ、 縁の下の力持ち「技術部」2020年卒業 | 鳥取大学 技術部古都 良太 Ryota Furuichi
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ブランチラボで築く 医療従事者としての使命感2010年卒業 | 株式会社QCL坂本 菜穂 Nao Sakamoto
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教育と研究の現場で 鳥取大学から広がる 挑戦の道2009年卒業 | 鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座河月 稔 Minoru Kouzuki
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受精卵の声を聞くこと 受精卵と真摯に誠実に 向きあうこと2010年卒業 |
医療法人社団 ミオ・ファティリティ・クリニック杉嶋 美奈子 Minako Sugishima -
臨床検査技師として 病院内外で多彩な役割を担う2015年卒業 | 独立行政法人 労働者健康安全機構
山陰労災病院 中央検査部黑見 晃行 Teruyuki Kuromi -
臨床検査技師を育てる立場に 鳥取大学医学部での 学びを次の世代へ2020年卒業 | 愛媛県立医療技術大学藤井 萌 Moe Fujii
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微生物検査の最前線で 感染症と闘う2007年卒業 | 鳥取大学医学部附属病院検査部・感染制御部森下 奨太 Shota Morishita
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大学病院で広がる可能性 臨床検査技師の仕事2010年卒業 | 島根大学医学部附属病院検査部岡﨑 亮太 Ryota Okazaki

現在の職場:鳥取大学医学部附属病院
検査部
(一般検査部門)
専門分野:一般検査
スペシャリストに
なるために
私は現在、鳥取大学医学部附属病院検査部の一般検査部門に所属しています。
一般検査で取り扱う検体には、尿や便、髄液、胸水、腹水など様々あり、幅広い知識が必要です。一般検査の中で私が特に注力しているのが尿沈渣検査です。尿沈渣検査は、尿中の有形成分を顕微鏡を用いて観察する検査で、特に腎・尿路系疾患のスクリーニングにおいて重要な形態学的検査として位置付けられていますが、成分の鑑別に苦慮することも多々あります。より専門性を高めるために学会や研修会に参加したり、認定一般検査技師という認定資格を取得するなど、質の高い医療を提供するために日々勉強を続けています。
自分に何ができるのかを
常に考えられる
臨床検査技師へ
臨床検査技師はよく「縁の下の力持ち」と言われています。では「力持ち」になるためにはどうすれば良いだろう?と私はいつも考えています。例えば尿沈渣検査では、成分鑑別のために生化学検査や病理検査の結果を参照したり、患者さんの症状を調べたり、時には医師へ追加検査のアドバイスもします。ただ検体を機械にかけて結果を漫然と送信するだけでなく、より正確な検査結果を迅速に提供するためにできることを探求していくことが「力持ち」につながるひとつの方法ではないでしょうか。私自身も多角的な視野を持った医療技術者を目指したいと考えていますし、皆さんにも是非「力持ち」な臨床検査技師を目指していただければと思っています。

現在の職場:鳥取大学医学部附属病院 病理部
専門分野:病理検査分野
患者さんと向き合うことに
繋がる
病理検査分野での臨床検査技師の役割は、臨床から提出された組織検体および細胞検体をガラス標本にする作業を担い、作製されたガラス標本をもとに病理医が診断しています。検体が提出されてから標本が出来上がるまでに数多くの工程があり、良質な標本を作製することは良質な病理診断に直結します。また、細胞検査士の資格を取得した臨床検査技師は、顕微鏡下で細胞診標本の中からがん細胞を見つけ出し、所見の記載や良性・悪性の判定を行っています。細胞診判定は細胞検査士のみが行える業務であり、ときには細胞検査士が判定した結果が治療に直結する場合もあります。
このように病理検査分野は検体採取および標本作製から病理診断までの一連の流れに携わることのできる大変魅力的な分野です。
臨床検査技師に
求められるものとは
これまでの病理検査は組織や細胞の形態をもとに診断を行ってきました。しかし、遺伝子検査の急速な発展により個別化医療が主流になってきており、病理検体を使って遺伝子検査を行うことから、この2つの検査は深く繋がっています。この遺伝子検査の到来によって、より高品質な病理標本作製が必須となり、それに伴う高度な知識や技術が臨床検査技師に求められるようになってきています。
鳥取大学医学部では博士課程や修士課程などレベルアップを目指す場所も充実しています。私も修士課程を鳥取大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程にて修了しました。修士課程では研究計画、実験、結果解析、論文作成という研究のイロハを学び、臨床現場でもこの経験を活かすことが出来ています。
皆さんも多くの知識と技術が学べる鳥取大学で一流の臨床検技師を目指しましょう。

現在の職場:松江赤十字病院
専門分野:生化学・免疫検査
地元医療に活かす
私は島根県の出身で、平成18年度に鳥取大学医学部保健学科に入学しました。鳥取大学卒業後は東京医科歯科大学(現・東京科学大学)大学院の保健衛生学研究科へ進学し、主に循環器領域の研究に取り組みました。外部の大学院に進学したのは鳥取大学の研究環境が悪かったからというわけではなく、たまたま私が勉強したかった循環器領域の指導教員の先生が他大学へ異動されたためです。大学院卒業後は東京で学んだことを地元での医療に役立てたいという思いから松江赤十字病院へ就職し、生化学・免疫検査部門へ配属されました。その後は、いわゆる団塊の世代の先輩方が次々と定年を迎えられたこともあり、現在は検査部第一検査課の課長を拝命しています。
これから臨床検査技師を目指す方へ 社会人になっても興味のあることを
勉強し続けたい!
臨床検査技師に限らず、医療職に就いた人間は一生勉強を続ける覚悟がなくてはなりません。それゆえ医学や化学、生物学などを学ぶことが好きな人が向いていると思います。また、一昔前の臨床検査技師は検査室にこもって、ひたすらに検査だけを行う職人のようなイメージがありましたが今は違います。これからは患者さんや他の医療職と密接なコミュニケーションをとり、チーム医療の一員として活躍することが求められるでしょう。とはいえ営業職のようなトーク力が求められるということはなく、事実を丁寧に話す、相手の立場を考えて発言するなど一般的な立ち振る舞いができれば大丈夫です。興味のあることを勉強し続けながら仕事をしたいという人には選択肢のひとつとなるのではないでしょうか。

現在の職場:フリーランス(はっとラボ)
/ はしもとクリニック内科・呼吸器科
/ 米子中海クリニック
専門分野:超音波検査
フリーランス臨床検査技師の
働き方と可能性
臨床検査技師の働き方についてみなさんはどんなものを想像しますか?病院の検査室や検査会社がまず思い浮かぶかもしれませんが、実は私のようにフリーランスとして開業届を出して活躍することができます。私は大学卒業後、超音波検査を得意とするために鳥取大学大学院に進学し、胆嚢の研究を行い、現在は超音波検査士の資格を活かしてクリニックでエコー検査を行いながら【はっとラボ】で超音波検査教育に取り組んでいます。
これから臨床検査技師を目指す方へ 活躍の幅が広く自分に合った働き方を
みつけられる職業!
日本の臨床検査技師の職域は広く、血液、微生物、病理、生理学的検査(超音波や脳波、肺機能など)とたくさんの活躍の場があります。私は1型2色覚という色覚異常のひとつを特性として持っており、赤~緑の色の判定が人と異なるため微生物検査などは不得手です。しかし、白黒の濃淡や形をみることには鋭敏であり超音波検査でその特性を活かすことができています。鳥取大学での超音波との出会いが私の今につながっています。あなたもきっと、この検査が楽しい!極めたい!自分にあっている!と思えるものがみつかります。臨床検査技師の仲間になって一緒に医療貢献していきましょう!※色覚で悩まれている方は【はっとラボ】にご連絡ください。

現在の職場:島根県益田保健所 衛生指導課
活躍する臨床検査技師の
幅広い活動
私は保健所で働く臨床検査技師として、感染症対策の業務を担当しています。感染症法に基づく患者さんの届出があれば、疫学調査を通じて感染経路を追跡し、感染拡大防止のための助言や指導を行っています。平時においては地域の感染症発生情報の収集や、依頼を受け高齢者施設等で講習会を行うこともあります。
保健所は公衆衛生の観点から地域の人々の健康を守るために、様々な業務を行っています。保健師、薬剤師、放射線技師など多様な職種の人が専門性を活かし、母子保健、生活習慣病対策、精神保健、難病支援、食品衛生、生活・環境衛生など、多岐にわたる分野で活躍をしています。
皆さんへ
私が感じる臨床検査技師の魅力の一つは、働き方の多様性にあります。私自身、島根県内の様々な保健所で、感染症対策から生活衛生、水質や食品の検査まで、幅広い業務を経験してきました。
行政で働く臨床検査技師の醍醐味は、定期的な異動を通じて様々な経験を積めることです。県庁では広報や報道対応を通じた公衆衛生に関する正しい知識の普及啓発など、地方衛生研究所では専門性の高い検査や研究まで、キャリアパスは多岐にわたります。それぞれの勤務地で新しい仲間と出会い、視野を広げられることも、かけがえのない財産となります。あなたも行政で働く臨床検査技師として地域社会に貢献してみませんか?

現在の職場:大阪大学大学院医学系研究科ツインリサーチセンター
専門分野:予防医学、遺伝統計学、一般検査学
ふたご研究で予防医学に挑む
鳥取大学を卒業後、私は大阪大学大学院に進学し、現在は講師としてふたご研究に携わっています。一卵性双生児の「遺伝情報が全く同じ」という特性に注目し、人間の多様な個性が「遺伝因子」と「環境因子」のどちらによって形成されるのか、さらにその具体的因子を探る研究です。ふたご研究は日本ではまだ発展途上ですが、ヨーロッパでは盛んで、私はハンガリーのSemmelweis大学との国際共同研究を進めています。今後はAIやビッグデータ解析を活用し、予防医学や個別化医療の発展に貢献したいと考えています。鳥取大学で培った基礎力が、私の研究の原点です。現役の皆さんも、ここでの学びを大切にし、自分の可能性を広げてください。
これから臨床検査技師を目指す方へ 臨床検査技師の働き方はあなた次第!
「あなたはどのような臨床検査技師を目指しますか?」これは、病院の就職試験でよく聞かれる質問です。臨床検査技師としての働き方は近年多様化し、従来の検査部勤務に加え、病棟検査技師や救急医療、在宅医療など様々な選択肢があります。病院外では検査センターや治験コーディネーター、大学教員などの道もあり、医療系企業への就職も可能です。私は鳥取大学で研究の楽しさを知り、大学教員を志して現在の職に就いていますが、もっと多くの選択肢を知っていれば、別の職を選んでいたかもしれません。大学時代に働き方をリサーチすることで、理想の道に近づけると思います。自分に合った臨床検査技師像を見つけ、充実した未来を築いてください。

現在の職場:香川県立保健医療大学 保健医療学部 臨床検査学科
専門分野:神経生理部門(脳波、神経伝導検査、誘発脳波、神経筋超音波検査)
次世代の検査技師を育成
僕は鳥取大学を卒業し、約6年間鳥取大学医学部附属病院検査部の臨床検査技師として勤務しました。その後、鳥取大学医学部保健学科病態検査学講座の助教として3年間勤務し、現在は実家がある四国の地で臨床検査技師を育てる教員として働いています。専門分野は神経生理で、主に脳波のコンピュータ解析や超音波検査による神経筋疾患の病態評価について研究を行っております。 私が教員を目指したきっかけは、臨床で検査を行いながら研究活動を行っている恩師達に憧れたからです。大学院生時代に学生を教える楽しさを学び、臨床に有用な情報を提供できるような研究を体験できたことが、自分にとっては大きな転換期でした。香川県でも、検査技師として臨床現場で検査を行いながら、学生たちに現場で今求められるものについて伝えられるように頑張っています。
これから臨床検査技師を目指す方へ 人との出会いを大切に学部生時代の実習では、脳波実習が一番苦手でした。しかしながら、大学院生時代の恩師であり退官された福田千佐子先生や脳神経小児科の前垣義弘先生にご指導いただいたおかげで、今では脳波検査が大好きになりました。また、鳥取大学に残るきっかけになったのは、鳥取大学医学部附属病院検査部に就職させていただいたおかげです。今、こうして香川の地で働くことができたのも、検査技師になってからお知り合いになった和田晋一先生との縁があったからです。臨床検査技師として働いてきた16年間、たくさんの出会いに恵まれて今があると感じております。これから臨床検査技師を目指す方は、いろいろな働き方をしている検査技師と知り合いになって、自分のキャリアについてじっくり考えてもらえたらと思います。長い人生ですが、きっとあなた方の周りにいる上司や同僚の人たちが、良い人生に引っ張って行ってくれると思います。

現在の職場:鳥取大学 技術部
専門分野:系統解剖関連、電子顕微鏡標本作製 他
縁の下の力持ち「技術部」
鳥取大学技術部は、医学部だけでなく鳥取大学全体の教育・研究を技術支援する組織です(詳しくはぜひ公式HPをご覧ください)。私は化学バイオ・生命部門
組織解析分野に所属し、医学科の解剖学・組織学実習補助や電子顕微鏡関連業務などを担当しています。具体的には解剖実習の支援、ご献体の防腐処置、臨床検体の透過電顕試料作製などです。また、部門内では病理解剖・法医解剖補助、光学顕微鏡標本作製、分析機器の管理など専門性の高い業務が行われています。
電子顕微鏡のある施設や解剖補助を経験できる場は少なく、興味のある人にとっては貴重な選択肢と言えます。
技術部は目につきにくいことが多いですが、大学を支える縁の下の力持ちです。
検査センターにしかない仕事、
大学にしかない仕事
臨床検査技師の9割は病院に就職します。院内では血液や細胞、細菌・ウイルス、エコーなどの検査を担当者が行い、患者さんとも接します。また、検査センターは病院から依頼された検査を引き受け、患者さんと直接話はしませんが、より多くの高度な検査と向き合います。私は当初ここに就職し、COVID-19感染拡大の中で細菌検査の基礎を学びました。そして今は鳥取大学で技術職員として、以前から興味を持っていた解剖関連業務に携わっています。大学は他と違い、主に教育・研究のために検査技師の技術を提供しています。
この記事で、病院だけでなく、学んだ知識や資格を生かし他では得られない経験を積む選択肢があることを知ってもらえれば嬉しいです。

現在の職場:株式会社QCL
専門分野:検体検査全般
医療従事者としての使命感
私の職場は、業務委託された病院内の検査室で検体検査を行う、いわゆるブランチラボというところです。病院の検体検査室ですので、生化学、免疫、血液、一般など様々な分野の検査を行っています。検査センターと違い、医療に直結した検査を実感できる職場で、迅速かつ正確な検査結果の報告を第一に、業務を行っています。
院内実施項目以外に外注項目等の質問も多くあり、幅広い知識を要求されますので、内部研修以外に外部研修会等にも積極的に参加し、幅広い知識を習得するように努めています。また、病院職員の方と直接関わる機会も多く、医療従事者としての責任感を持って日々の業務に従事するよう心がけています。
仕事に対して
私が考えていること
私自身の臨床検査技師についての認識は、鳥取大学入学前は検体検査と生理検査がある、検査室でひたすら検査をするという、漠然としたものでした。鳥取大学で学び、臨床検査技師として働きはじめてから今日までの間に、いろいろな検査、資格試験等を経験しました。検査について習得すべき知識や技術は尽きません。自分の目指す臨床検査技師像を模索し、それに対する努力を続けていくことが、臨床検査技師として働く上で大事だと考えています。同じ臨床検査技師という資格をもって働いていても、その業務内容は多岐にわたります。興味のある分野を見つけ、臨床検査技師としての一歩を踏み出すことを応援しています。

現在の職場:鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座
専門分野:認知症、老年学
鳥取大学から広がる
挑戦の道
2009年3月に鳥取大学医学部保健学科検査技術科学専攻を卒業した後、鳥取大学大学院医学系研究科博士前期課程に進学して研究について2年間学びました。その後、地元の病院である神戸市立西神戸医療センターの臨床検査技術部で臨床検査技師として3年間勤務し、2014年4月から母校である鳥取大学の医学部保健学科で教員として教育と研究に力を入れて仕事をしています。教育においては、臨床検査技師の実際や自分自身の経験を伝え、学生が将来に夢と希望を持てるように努めています。また、研究活動としては、大学院時代に研究していた認知症や老年学に関する内容に興味を持って取り組んでいます。
これから臨床検査技師を目指す方へ 将来の可能性-臨床検査技師として働く道と
それ以外の道-
皆さんは大学卒業後にどのような仕事へ就くことを考えますか?臨床検査技師として病院や診療所などの医療機関で働くことを思い浮かべる人が多いと思いますが、他にも衛生検査所や医療系企業で勤務、あるいは私のように大学で教育や研究に従事する道などもあります。私自身、教員になるという将来像は全く考えていませんでしたが、鳥取大学での出会いや学び、そして神戸市立西神戸医療センターで働いた経験が現在の自分を形作ることにつながりました。臨床検査技師になるために学んだことや臨床検査技師として身に着けたスキルは多様な分野で活かすことができます。是非、大学での学びの中で自分の可能性を探ってみてください。

現在の職場:医療法人社団 ミオ・ファティリティ・クリニック
専門分野:胚培養士(臨床検査技師)
受精卵と真摯に誠実に
向きあうこと
私は2010年4月、現クリニックに入職し、胚培養士として生殖補助医療に携わっています。女性の卵管は受精、受精卵(胚)発育、子宮への胚移送という大事な役割を担っていますが、胚培養士は精子、卵子および胚を専門的に扱い、この卵管の機能を体の外で代わりに行っています。その中で健康な命を授かっていただくためにはできる限り体内に近い環境を維持することが胚培養士の重要な仕事になります。また、顕微授精といって精子1個を100μmの卵子に細い針を用いて注入する細かな操作や、胚凍結・融解といった様々な技術も行っています。さらに当院では研究成果を発表する学会活動も活発であり、国内外問わず飛び回っています。日々患者さんと接し、胚を扱い、臨床研究もし、とても充実した生活を送っています。お子様を望まれるご夫婦の期待に応えられるよう鋭意取り組んでいます。
これから臨床検査技師を目指す方へ これからの社会・自分のためにできることの
選択肢として
胚培養士は理系大学を卒業している方が目指すことができ、全体の約半分は臨床検査技師出身の方が占めています。少子高齢化社会において今後ますます生殖補助医療・胚培養士の需要は高まっていくものと考えます。大学では医師がなぜこの検査を必要として検査依頼をしているのか、この検査はどういった原理に基づいているのかをしっかり学ぶことができます。その中でどういった形で将来患者さんと向き合っていくのか、自分自身がしっかり考え望む道へ進まれるのが良いと思います。どの選択をされても大学で学んだことは将来必ず自分自身の役に立ちます。皆様の今後のご活躍を期待しています。

現在の職場:独立行政法人 労働者健康安全機構 山陰労災病院 中央検査部
専門分野:免疫・輸血検査、微生物検査、生理(超音波)検査
病院内外で多彩な役割を担う
こんにちは。私は鳥取大学を卒業後、鳥取大学大学院(修士:病理学研究室)を修了し、現在は米子市内の病院で臨床検査技師として働いています。主に検査室の中で血液検体や病原体の検査をしたり、患者さんのエコー検査を行ったりしていますが、検査室の外でも抗菌薬適正使用支援チームに所属し、臨床検査技師としてチーム医療に参画(微生物情報の提供など)したり、ICLS部会のメンバーとして救急医療にも関わり、ICLS研修会ではインストラクターとして指導にも携わっています。また、何か題材を見つけては各種学会に参加して演題発表を行ったり、他者の研究発表から様々な事を学んで、またモチベーションを高めて日常の業務に役立てています。
これから臨床検査技師を目指す方へ 検査室だけじゃない!広がる臨床検査技師の可能性
臨床検査技師の仕事は、その報告結果が臨床の治療方針を左右する、責任重大な仕事です。これから目指す皆さんは、たくさんの知識をつけて国家試験に合格しなければなりませんが、そこで終わりではなく、常に最新の知見や情報を入れ続ける必要があります。臨床検査技師は、ひっそりと検査室で業務をしているイメージがあるかもしれませんが、実際は、上記の様に検査室の外で他職種スタッフと仕事をすることもあります。今後より検査部門外での活躍が求められると言われており、検査室に対してどのようなニーズがあるのかを汲み取って、動いていかなければなりません。厳しい道ではありますが、やりがいの大きい仕事です。一緒に頑張りましょう!

現在の職場:愛媛県立医療技術大学
専門分野:微生物検査
鳥取大学医学部での
学びを次の世代へ
私は現在、愛媛県立医療技術大学で教員として働いています。専門分野は微生物検査で、その他に医用工学実習、一般検査学実習なども担当しています。私は2020年に鳥取大学を卒業後、地元・岡山での就職を考え、岡山大学大学院に進学しました。在学中は研究計画、実験、結果解析や、海外での学会発表、英語論文の執筆などさまざまな経験をさせていただきました。その後、在学中のご縁もあり、教員という道に進みました。現在は、私の根幹である鳥取大学医学部での学びを次の世代に繋ぎ、医療現場や研究の場で幅広く活躍する人材を育成するため、教員として自分に何ができるのか、試行錯誤しながら充実した日々を送っています。
これから臨床検査技師を目指す方へ 検査のスペシャリストとして未来の医療を支える存在に
皆さんは将来どのような場で活躍したいですか?病院で患者さんに上質な医療を提供する臨床検査技師、研究機関で医療の未来に貢献する研究者、教育機関で次世代の医療人を育成する教員など、活躍の場は多岐に亘ります。どのような場であっても共通して大事なことは「検査のスペシャリストである」ことだと私は思います。これは鳥大時代のある先生のお言葉です。鳥取大学医学部では検査のスペシャリストを目指せる十分な環境が整っています。ぜひ鳥取大学で、仲間とともに勉学に励み、さまざまな経験をし、検査の知識と技術は誰にも負けない検査のスペシャリストを目指して充実した学生生活を送ってください。皆さんの輝かしい未来を応援しています。

現在の職場:鳥取大学医学部附属病院検査部・感染制御部
専門分野:微生物検査・感染制御
感染症と闘う
微生物検査は感染症の原因となる細菌やウイルスなどの病原体を特定したり、治療に用いられる薬が有効かどうかを調べたりしています。また、感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)の資格を取得し、院内感染を未然に防ぐあるいは起こってしまった場合に解決する感染制御チーム(ICT)や、感染症治療を最適化する抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員として、他職種と連携して行う業務も行っています。昨今のコロナ禍では2つの部署の橋渡し役となり、PCR検査体制の構築や情報提供などを担当しました。また、鳥取県の感染制御専門家チームの一員としても活動しており、薬剤耐性菌のサーベイランスなど院内外の感染制御に貢献しています。
これから臨床検査技師を目指す方へ 専門性を活かし、医師と共に医療を創る仕事
臨床検査技師は主に情報の発信源としての役割を担います。医師が診断や治療を行ううえで必要不可欠な検査データを、正確かつ迅速に報告することが求められます。基本的には『縁の下の力持ち』としてサポート役に徹することが多いですが、専門領域に関しては医師から質問されたり、自分から意見を述べてディスカッションしたりすることも少なくありません。要求される知識も多く大変なこともありますが、とてもやりがいのある仕事だと思います。他の医療職と比べて一般的な認知度は高くないですが、努力次第で主役にもなれます。少しでも興味が湧いた方は、是非目指してみてください!

現在の職場:島根大学医学部附属病院 検査部
専門分野:生理機能検査
臨床検査技師の仕事
現在、私は島根大学医学部附属病院の検査部で働いています。専門分野は「生理機能検査」で、心電図やエコーを使い、患者さんの体の情報を直接記録しています。また、採血や当直時の血液検査、輸血検査なども担当しています。大学病院ならではの特徴として、医師と一緒に研究を進めたり(学位取得に向けて努力中です)、医学生の実習指導を行ったり、治験(新薬の試験)業務に携わる機会もあります。
さらに、管理職としてシステム管理や検査部のマネジメントにも関わっています。日々、検査技師として幅広い仕事をこなす中で、医療の現場を支えているという実感を得られることが、この仕事のやりがいです。
臨床検査技師の道
〜あなたに広がる
多様なキャリアパス〜
臨床検査技師の仕事には、多くの可能性があります。病院での検査業務だけでなく、研究者として新しい検査技術を開発したり、治験に携わることもできます。また、保健所や行政機関で地域の健康を支える仕事や、在宅医療で患者さんをサポートする道もあります。さらに、フリーランスとして自分のペースで働くことも可能です。
国家資格を取得しているため、安定した職につくことができるのも魅力の一つ。しかし、それだけではなく、さまざまなキャリアに挑戦できる柔軟性もあります。「人の役に立ちたい」「医療に興味がある」という方にはぴったりの仕事です。あなたも臨床検査技師として、自分だけの道を切り開いてみませんか?
Career path data 卒業後の進路データ
未来の選択肢は無限大ここから広がる
キャリアの可能性
卒業生たちは附属病院、山陰を中心に全国各地の病院、健診センターなど、医療の最前線で活躍しています。
臨床検査技師としてのスキルはもちろん、広がるキャリアパスも大きな魅力です。
また、さらなる学びを求めて大学院進学を選ぶ道も充実しています。