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<更なる染色体工学応用法の模索>
Bi-HAC vector system
従来のウイルスベクター、BAC/PACベクター等を用いた遺伝子導入法では、宿主染色体に遺伝子が挿入される
こ
とが知られており、遺伝子治療を行う上で細胞のがん化の危険性が懸念される。ヒト人工染色体(HAC)ベクターは宿主染色体とは独立に維持され導入遺伝子
は安定かつ長期間発現する利点がある。HACベクターの作製法は大きく分けて、ヒト染色体をベースに染色体改変を行う‘トップダウン法’とセントロメア配
列を含むベクター導入により作製する‘ボトムアップ法’がある。本論文では、ヒト培養細胞で安定に保持されるトップダウン法により作製されたヒト21番染
色体ベースの人工染色体ベクター(21HAC)とボトムアップ法により作製された任意に除去可能なヒト人工染色体ベクター(tet-O
HAC)を組み合わせた新規遺伝子発現を開発した (Bi-HAC vector
system)。将来的には21HACベクターを遺伝子治療用に、tet-O
HACベクターを細胞リプログラミング用に応用することで、宿主染色体非挿入の遺伝子治療が期待される。