文部科学省 課題解決型高度医療人材養成プログラム 重症児の在宅支援を担う医師等養成

活動報告

第4回インテンシブコース(7月22日)

〔プログラム〕
・グループワーク「学童期:就学時の支援と学校での医療的ケア」

第4回インテンシブコースでは“学童期”をテーマに、2つの事例についてディスカッションしました。1つ目は、就学を控えた6歳の重症心身障害児とご家族の小学校入学後の支援について、2つ目は気管切開、人工呼吸器装着中の8歳の男児が安全に通学するための支援についてディスカッションしました。

アンケート集計結果:
 H29 第4回インテンシブコース(7月22日)表1 H29 第4回インテンシブコース(7月22日)表2

H29 第4回インテンシブコース(7月22日)表3 H29 第4回インテンシブコース(7月22日)表4 
 

 

グループワーク終了後の振り返りシートを、多職種連携コンピテンシーの協働的能力にそって記載してもらいました。抜粋は以下の通りです。

<関係性への働きかけ>
・退院前カンファレンスなどを通して児の事柄について必要なことを伝達する。入院時から多職種と
の関係性を築く。
・自宅での生活と学校での生活の両方を無理なく過ごせるように、どのような支援が必要なのかを見
極め、他職種へ支援を依頼し、必要に応じて情報交換する。
・訪看として在宅だけでなく、社会生活(学級など)の全てを視野に入れ利用可能なサービスを入れる
ことを心がける。
・看護師は調整役として働きもあると思う。在宅医・病院医師への報告や指示受け、また必要事項を他
の関係者や家族に伝え、指導していく。
・何がどこまでサービス介入していただけるか、意見交換する必要あり。
・安全に移動するための家族・ヘルパー等の役割分担を促す。
・医療、福祉、教育と連携が大切だとは分かっているけれど相容れない部分もあるように思う。

<職種役割を全うする>
・通学し始めた頃(小学生)からその後の状態が変わってくる方も多いので、その都度、対処に協力でき
るように努めたい。
・看護師として医療的ケアを実際に行ったり、自宅でも訪問看護として関わったり指導したりしていく。
時に他職種と家族・本人とを結ぶコーディネーター役も必要。
・学童期の特徴をまずは理解。その上で、個別性などを把握し、その児に合った関わり、支援をする。
・学童期の発達を知り、それを促すようなケア、そしてサービス連携を心がける。学童期からその後の将
来の姿までを考えてケアプランを作る。
・医療的ケア(吸引、注入)など必要なことを実施し、安全に学校に通えるよう支援する。家族の負担を
軽減する。
・入学予定の学校の環境確認への同行や設置等改修などへの助言。
・児に必要な物品。(バギー等の移動用具や座位保持装置などの準備、使用へのアドバイス等)
・通学方法や姿勢などの検討、確認。(児・家族・学校の先生などとともに)
・移動時、学校での活動時、休憩時の姿勢の検討、学校での活動で、対象児に合わせた動き、作業の提案、
発達支援。
・関わる家族の作業がより安全になり、やりやすく楽に効率的に考えていくのはOTとして関われる。
(特に今回のようにご家族にハンディがある場合)
・歯列・口腔内の衛生などについて留意する口腔ケア。

<他職種の理解>
・学校の教職員との連携、放課後等デイの介護・看護等との関わり、訪問のリハビリ、ヘルパーとの関わ
りを理解、遂行していく。また、市町村の福祉課や教育委員会への要望、陳情なども。
・教育委員会(市町村)、児童相談事業(市町村)、入所(県)などのサービスについて、現在地域がどの
ように関わっているか、どのようなものがあるか知る。(サービスマップづくり)
・どの職種がどの部分をサポートしているのか把握しておく。
・学校教員、ヘルパー、リハビリ等、それぞれのできる範囲を知る。
・グループワークを通して訪看が注入等で学校に入っている事も初めて知った。
・訪問介護の方の立ち位置が少し分かった。重度なお子さん、医療的ケアが必要な方に対して容易に単独
で関わりがたい実態。
・医療職が介入することで医療的ケアのある児童の生活の幅が広がる。

<自職種への内省>
・通学、就学にあたっては、どうしても親の負担がまだ多く、看護師としてケアや観察、指導を通じて負
担の軽減に努めなければならない。
・児童やその家族、関わる職種スタッフとの関係性を築く。包括的に支えられるような看護師になる。
・医療面だけの介入を考えてしまう
・サービス利用の検討だけでなく、自立に向けて支援を減らしていけることがないか考えたい。
ないサービスや支援を考える創造力をつけたい。
・リハビリ中心に考えてしまう。
・医療的ケアの視点がどうしても薄くなってしまうので多職種間での協議・協力・協働が絶対的に必要。

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