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完全ヒト抗体産生マウスを用いた迅速な創薬プラットフォームの構築に成功~最短 60 日で感染症抗体を作製、今後のパンデミックへの「備え」に期待~

 

 このたび、鳥取大学染色体工学研究センターの濱道 修生 特命助教、香月 康宏 教授、東京薬科大学の宇野 愛海 助教、冨塚 一磨 教授らの共同研究グループは、ウイルス感染症対策の一環として、迅速にヒト抗体医薬品を創出できる創薬プラットフォーム「Express Hu-mAb System」の構築に成功しました。

 世界的に大流行した新型コロナウイルス感染症は、創薬分野において数多くの課題を浮き彫りにしました。その一つが、SARS-CoV-2ウイルスの変異が短期間に起こるため、ヒト抗体医薬品の開発から生産の期間を5-6ヶ月まで短縮しないと、新規変異株に対応できないという課題です。そこで本研究グループは、スピードに重点を置きつつ、医薬品候補の開発可能性や製造可能性の要素を加味するため、① 完全ヒト抗体産生(TC-mAb)マウス、② 迅速な免疫法の確立と③ シングルB細胞解析技術、もしくは哺乳類細胞ディスプレイシステムを基盤とする新規モノクローナル抗体取得技術の開発を組み合わせ、この課題の解決に取り組みました。本創薬プラットフォームを活用し、SARS-CoV-2武漢株とオミクロンBA.5株を中和する広域中和抗体をシングルB細胞解析技術では合計60日間、哺乳類細胞ディスプレイシステムでは合計90日間での作製に成功しました。「Express Hu-mAb System」は、今後のパンデミックの脅威に対する「備え」として期待されます。本研究は、立教大学の末次 正幸 教授と九州大学の福原 崇介 教授らとの共同研究で行われました。

 

https://www.med.tottori-u.ac.jp/news/press/38193.html

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