診療のご案内

ハイドロゲルスペーサーを併用したハイリスク前立腺癌に対するトリモダリティー療法 (密封小線源治療+外部放射線治療+ホルモン療法)

トリモダリティーとは

ハイリスクの限局性前立腺癌では、単独の治療のみでは再発する可能性が高く、併用療法での治療成績向上への試みがなされてきました。トリモダリティーとは、密封小線源治療+外部放射線治療+ホルモン療法を組み合わせた治療法で、良好な治療成績が期待できるとされています[1-3]。しかし、ホルモン療法の使用方法や期間に関しては明確な基準が存在していないのが現状です。現在、本邦では高リスク症例に対して密封小線源治療と外部放射線治療の併用療法に対するホルモン療法の相加効果の検証が行われています(TRIP試験)[4]。当院では6ヶ月間の術前ホルモン療法を行ったあとに密封小線源治療と外部放射線治療を行い、その後は2年間のホルモン治療を継続します(図1)。

図1 当院でのトリモダリティーの流れ
トリモダリティー1


トリモダリティーでは線量が増加することで、治療に伴う有害事象の増加も懸念されます。当院では、放射線の直腸への影響を低減する目的でSpace OAR® ハイドロゲルスペーサというゲル物質を密封小線源治療後に挿入しています。Space OAR® は前立腺癌の放射線治療に使用するために2018年5月から保険収載され、当院では2019年5月から導入しています。前立腺と直腸との距離を1㎝程度離すことで、直腸被ばくを低減することが出来ます(図2)。

図2 ハイドロゲルスペーサ
トリモダリティー2

 

参考文献

  1. Bittner N, Merrick GS, Butler WM, et al. Long-term outcome for very high-risk prostate cancer treated primarily with a triple modality approach to include permanent interstitial brachytherapy. Brachytherapy. 2012;11:250-5.
  2. Hurwitz MD, Halabi S, Ou SS, et al. Combination external beam radiation and brachytherapy boost with androgen suppression for treatment of intermediate-risk prostate cancer:an initial report of CALGB 99809. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2008;72:814-9.
  3. D’Amico AV, Moran BJ, Braccioforte MH, et al. Risk of death from prostate cancer after brachytherapy alone or with radiation, androgen suppression therapy, or both in men with high-risk disease. J Clin Oncol. 2009;27:3923-8.
  4. Konaka H, Egawa S, Saito S, et al. Tri-Modality therapy with I-125 brachytherapy, external beam radiation therapy, and short- or long-term hormone therapy for high-risk localized prostate cancer (TRIP):study protocol for a phase Ⅲ, multicenter, randomized, controlled trial. BMC Cancer. 2012;12 :110.